沼島・上立神岩

沼島・上立神岩

兵庫県南あわじ市の沼島(ぬしま)にある高さ30mほどの奇岩が上立神岩(かみたてがみいわ)。国生み神話で、神々が一番最初につくり出したオノコロ島が沼島ともいわれ、国生みの際に使った天沼矛(あめのぬぼこ)、あるいは天の御柱(あめのみはしら)とも伝えられるのが上立神岩です。

「国生み神話」の沼島にある神秘的な巨岩

沼島・上立神岩

『古事記』によれば、伊邪那美尊(いざなぎのみこと)と伊弉諾尊(いざなみのみこと)の2神は、別天津神(ことあまつかみ)らに天沼矛(あめのぬぼこ)を与えられ、天浮橋(あめのうきはし)に立って、混沌とした大地をかきまぜたところ、矛から滴り落ちたものが、淤能碁呂島(おのごろじま)になったと伝えられています。
その後、伊邪那美尊と伊弉諾尊は、淤能碁呂島に降り立ち、天の御柱を立て、柱の回りを伊邪那岐命は左から、伊邪那美命は右から、それぞれ柱を廻り、夫婦の契り(ちぎり)を交わし、淡路島、つぎに四国、隠岐島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、最後に本州を生み出したとされています。

沼島へは淡路島の土生港(はぶこう)から沼島汽船で10分ほど。
船が接岸する港は島の西岸で、上立神岩があるのは東岸なので、徒歩20分ほど必要です。

沼島は、日本遺産「国生みの島・淡路〜古代国家を支えた海人の営み〜」の構成資産にもなっています。

プレートが激突して沼島が誕生

地質的に沼島は、中央構造線の南に沿って西南日本に細長く伸びている三波川帯に属する結晶片岩類(1億年前の中生代に誕生した変成岩)でできています。
しかも沼島は、太平洋プレートとユーラシアプレートのぶつかり合うところ。
プレートがぶつかり合うような状態で生まれた沼島だからこその奇岩が上立神岩なのです。

沼島の北端、黒崎の海岸で平成8年に発見された石は、1億年前、深さ30kmほどの場所で、沈み込むプレートの運動によってつくられたものと推測され、フランスで1ヶ所発見されているだけという同心円構造の鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)が現れている岩石です(年に数日、大潮の日を中心に観察が可能ですが、ガイド同行でなければ観察は困難な場所にあります)。

『古事記』などに記される「国生み神話」は海人族が淡路島にもたらし、それが大和朝廷へと伝わったものだと推測されていますが、太平洋プレート(伊邪那美尊)、ユーラシアプレート(伊弉諾尊)がぶつかって、1億年前に沼島が最初に誕生したことを考えると、「国生み神話」と日本列島誕生の歴史が不思議に結びつくような気がします。

沼島・上立神岩
名称 沼島・上立神岩/ぬしま・かみたてがみいわ
所在地 兵庫県 南あわじ市沼島
関連HP 南あわじ市公式ホームページ
電車・バスで 沼島港から徒歩20分
ドライブで 沼島港から約1.5km
問い合わせ 沼島総合観光案内所 TEL:0799-57-0777
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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