マタギ資料館

マタギ資料館

「マタギ」(阿仁マタギ)と呼ばれる狩人たちの歴史や文化が今も残る、北秋田市の阿仁エリアにある打当(うっとう)集落。打当にある阿仁マタギ資料館では、マタギの装備や衣装、狩猟道具などが展示され、往時の生活ぶりを垣間見られるほか、狩の対象となったクマなどの剥製もあり、森吉山の生態系などもあわせて知ることができます。

自然と共存したマタギの厳しい生活の一端を垣間見る

マタギとは、狩猟を生業として移動した集団で、仲間うちの掟や言葉さえも農耕文化とは一線を画す独自の文化に支えられ、時代を生き抜いてきた人々のこと。
そんな野生動物を含めた、厳しい自然環境と対峙してきたマタギの文化を保存伝承しているのが、阿仁打当にあるマタギ集落です。

日本海の沖合を温暖な対馬海流が流れることにより、森吉山の樹氷に代表されるような冬の豪雪を生み、ブナの森を育んできました。
ブナの森には、ブナやクリ、ナラ、トチ、クルミなどの実が豊富で、これらの堅果類が人間だけでなく、野生鳥獣にとっても貴重な食糧となっています。
ブナの森を流れる川にはイワナやヤマメも生息し、木の実や魚を捕獲するカモシカや、ツキノワグマの貴重な生息環境にもなっているのです。
そして、1年のうち5ヶ月を雪に閉ざされるという気候風土と豊かなブナの森が「マタギ」という職業を生んだのです。

小説になったマタギ、『邂逅の森』の松橋富治

熊谷達也の小説『邂逅の森』(かいこうのもり)は、『別册文藝春秋』に連載されたのち、2004年1月に文藝春秋から単行本が刊行。
第17回山本周五郎賞、第131回直木賞をダブル受賞した小説です。
自然に対する畏敬の念をテーマに、大正から昭和の初め頃、打当のマタギ・松橋富治の生涯を描いた長編小説です。
「山に入ったマタギは、同じ人間とは思えないほど、里にいる時とは顔が変わる。存在そのものが変容する。そんな人間の生の姿を、私は『邂逅の森』という小説で描きたかった」(熊谷達也/『邂逅の森』が産声をあげた時)。

マタギ資料館
名称マタギ資料館/またぎしりょうかん
所在地秋田県北秋田市阿仁打当仙北渡道上ミ67
関連HP北秋田市公式ホームページ
ドライブで東北自動車道盛岡ICから約94.5km。または、秋田自動車道五城目八郎潟ICから約67.8km
駐車場50台/無料
問い合わせマタギ資料館 TEL:0186-84-2612
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

大館能代空港・阿仁・森吉山で、取材班おすすめ宿はここ!

秋田県北秋田市には、マタギの里として有名な阿仁、そして花の名山として名高い森吉山があり、冬季には樹氷が目当ての観光客やスキーヤーも訪れます。ブナの森に囲まれた北秋田市には温泉も湧くので、温泉が目当てという旅も楽しめます。エコノミーな宿が多い

打当温泉マタギの湯

打当温泉マタギの湯

「マタギの里」として知られる北秋田市の森吉山山麓・阿仁エリアに湧く、打当温泉(うっとうおんせん)。打当温泉マタギの湯は、公共の宿ですが、日帰り入浴、食事が可能。茶褐色をした湯の泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。切り傷、やけど、慢性皮

くまくま園(阿仁熊牧場)

くまくま園(阿仁熊牧場)

北秋田市阿仁打当(うっとう)地区の「阿仁マタギの里」にあるくまくま園(阿仁熊牧場)。「マタギ」と呼ばれる狩人たちの歴史や文化が今も残る阿仁エリアは、山深い自然に囲まれ、狩の対象となるツキノワグマとは、裏を返せば共存共栄してきた間柄ともいえる

阿仁ゴンドラ

秋田県の中央東部に位置し、県立自然公園の中核をなす森吉山(もりよしざん)。その山頂付近まで手軽に到達できるのが、阿仁ゴンドラ(ゴンドラリフト)。駐車場が完備された山麓駅から、標高1167mの山頂駅までは、所要15分。そこから登山を楽しむのな

安の滝

森吉山(1454.2m)の南東麓、奥阿仁エリア最深部に位置する中ノ又渓谷。ブナの原生林が生い茂り、原始の自然をたたえた約8kmの渓谷に沿って、いくつもの名瀑が連続。新緑、紅葉と、変化に富んだ景観は、森林浴にも最適だ。なかでも中ノ又沢上流部に

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