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獅子ヶ鼻湿原

獅子ヶ鼻湿原出壺

にかほ市の鳥海山北西山麓にある中島台レクリエーションの森。「あがりこ大王」に代表される奇形ブナ林(伐採後の新芽発育による変形)と並んで、見所のひとつとなっているのが獅子ヶ鼻湿原です。東鳥海馬蹄形カルデラの湧水池である獅子ヶ鼻湿原出壺は環境省選定の「平成の名水百選」にも選定。「鳥海マリモ」も観察できる穴場の湿原となっています。

希少な「鳥海マリモ」が群生する湧水池

鳥海マリモ
苔むした原始の森の中

標高550mの緩斜面に広がる獅子ヶ鼻湿原は、鳥海山溶岩流(新山溶岩流)の末端に位置し、その割れ目から鳥海の伏流水が湧き出すことで湿原を形成していますが、周囲のブナ林を含めた植物群」の26.11haが、「鳥海山獅子ヶ鼻湿原植物群落及び新山溶岩流末端崖と湧水群」として国の天然記念物に指定。
この湧水池は通称「出壺」と呼ばれ、周辺には160種類以上ものコケが生育。
なかでも特徴的なのが、湧水中に大量のコケが密生、それが球状・クッション状に発達した独特の景観。
別名「鳥海マリモ」とも呼ばれ、なかには「ヒラウロコゴケ」など、日本ではここだけしか見られないものも。
これは年間を通じて水の温度が低く一定に保たれ、phも4.5程度と強酸性であるという条件が、世界でも希少な低温性のコケの生育を可能にしているため。

管理棟から湿原周辺を一周する散策コースは約5km、所要2時間30分。
季節や積雪の状況によっては通れないルートもあるので、必ず管理棟に立ち寄って確認を。

獅子ヶ鼻湿原誕生の秘密
今から約2600年前,鳥海火山北麓が大崩壊して東鳥海馬蹄形カルデラが形成され,象潟岩砕なだれが発生、天然記念物に指定される象潟の海岸線を生み出しました。
その後、岩砕なだれが崩壊し泥流によって誕生したのが獅子ヶ鼻湿原の緩斜面。
さらに鳥海山の噴火で新山溶岩流が流出しましたが、その末端に東鳥海馬蹄形カルデラに浸透する水が出壺と呼ばれる湧水池から湧き出し、湿原を形成します。
獅子ヶ鼻湿原植物群落は、この湧水で涵養され、周囲は美しいブナの森に囲まれているのです。
ブナの森にはあがりこ大王、燭台ブナなどと呼ばれるブナの巨木が茂り、ミズゴケ湿原周辺には美しい苔の庭があって、被写体にも絶好です。

あがりこ大王
燭台ブナ

取材班おすすめ! にかほ市・遊佐町・鳥海登山の宿はここ!

象潟夕日の宿 さんねむ温泉

鳥海山の秋田県側の入口、秋田県にかほ市、象潟駅から徒歩20分の地に建つ2015年4月にオープンした温泉ホテル。
全33室の客室は、ツイン、ファミリールーム(和洋室)、和室など7タイプあり、家族旅行にも絶好です。
源泉かけ流し(単純硫黄泉)の1階大浴場からは日本海、3階展望浴場から鳥海山を眺望。
夕食は日本海御膳などの会席料理、朝食は和定食です。

鳥海温泉 遊楽里

鳥海山の山形県側の入口、山形県遊佐町にある設備充実の公共の宿(温泉ホテル)。
和室(6畳、8畳、10畳)を中心に、ツイン、和洋室(4名利用可能)、特別室(6名まで利用可能)の4タイプあって、ファミリーにも対応しています。
温泉は茶褐色の塩化物泉で、24時間かけ流しで利用可能。
夕食は、庄内豚のしゃぶしゃぶプラン、アワビの踊り焼きプラン、カニのしゃぶしゃぶプランなどが自慢。
料金設定はかなりエコノミーです。
JR吹浦駅またはJR遊佐駅から送迎も可能。

獅子ヶ鼻湿原
名称 獅子ヶ鼻湿原/ししがはなしつげん
所在地 秋田県にかほ市象潟町横岡
関連HP にかほ市観光協会公式ホームページ
ドライブで 日本海東北自動車道象潟ICから約11kmで駐車場
駐車場 中島台レクリエーションの森駐車場(150台/無料)を利用
問い合わせ にかほ市観光協会 TEL:0184-43-6608/FAX:0184-43-6609
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

元滝伏流水

2018年8月1日

あがりこ大王(中島台レクリエーションの森)

2018年8月1日

 

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