青森県平川市にある日本庭園が盛美園(せいびえん)。面積1.2haの池泉回遊式庭園は、大庄屋で尾上銀行頭取を務めた清藤家24代の清藤盛美(せいとうもりよし)が明治35年から9年がかりで造園したもの。庭園を眺める和洋折衷の「盛美館」は、スタジオジブリ『借りぐらしのアリエッティ』のモチーフにもなっています。
明治の日本三名園といわれる名園を観賞
大庄屋で、資産家でもあった清藤盛美が明治35年、庭師・小幡亭樹(おばたていじゅ)を招き、9年の歳月をかけて完成したもの。
津軽地方に多い大石武学流(江戸時代末期から津軽地方で宗家制度によって継承してきた流派で、明治〜昭和30年代に隆盛、その庭は弘前市内だけで100ヶ所以上が現存)の真髄を示した名園といわれ、国の名勝になっています。
大石武学流庭園は単に観賞する庭ではなく、豊作を祈ったり、収穫を感謝したりする祈りの場でもあったといわれています。
さらに、津軽の代表的な富裕層が、農閑期や凶作時に地域の人に、仕事を与えるという失業対策という側面もあったと推測できます。
この盛美園は、小川治兵衛作庭の京都の無鄰菴(むりんあん)、清風荘とともに「明治時代の三名園」にも数えられることがある名庭です。
園内にある「盛美館」の1階は、純和風の数奇屋造り、2階が洋風(ルネッサンス調、展望室のドーム屋根)という和洋折衷の珍しい建物(2階部分は非公開)。
鹿鳴館時代の特徴を今に伝える貴重な建物で庭園を眺めるために建築されたもの。
設計・施工は、地元の宮大工で、堀江佐吉(国の重要文化財に指定される、旧弘前偕行社、太宰治記念館 「斜陽館」などを建築)の下で洋風建築の腕も磨いた西谷市助。
園内にある休憩所では、菓子とお茶のセットで一息つくこともできます。
盛美園 | |
名称 | 盛美園/せいびえん |
所在地 | 青森県平川市猿賀石林1 |
関連HP | 盛美園公式ホームページ |
電車・バスで | 弘南鉄道津軽尾上駅から徒歩10分 |
ドライブで | 東北自動車道黒石ICから約5km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 盛美園 TEL:0172-57-2020 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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