【レシピ付き】名古屋を代表するB級グルメの王者は『鬼まんじゅう』

名古屋のB級グルメや、「名古屋めし」がブームを呼んでいます。東京のスーパーでも、(少し首をひねるようなものもありますが)名古屋風を売りにした味噌カツが並ぶようになりました。そんななかでも、意外に知られていないのが『鬼まん』(鬼まんじゅう)。名古屋のB級グルメの「隠れた王者」なのです!

「名古屋の粉文化」が生んだ、究極の名古屋スイーツ

知る人ぞ知る「吾妻屋」の鬼まん。うみゃーよ
知る人ぞ知る名古屋の鬼まん(黒砂糖バージョン)。うみゃーよ

この『鬼まんじゅう』、似て非なるものは、関東エリアのスーパーなどでも目にしますが、基本的にはまったくの別物。
名古屋周辺だけにあるユニークな和菓子で、東海道や中山道、飯田街道などの旧街道沿いの昔ながらの和菓子屋などで目にします。
昔は公設市場でも必ず目にした庶民派の味ですが、どうしてブレイクしないのでしょうか?

『鬼まんじゅう』正体は、具であるさつま芋の角切りが薄力粉(白玉粉をブレンドする場合もある)と砂糖(伝統的なものは黒砂糖)で作った生地に散りばめられた、モチモチとした食感のまんじゅう。
食感だけでいえば、伝統的な(三角形に切られた)ういろうのなかに、蒸したサツマイモが散りばめられたイメージです。
そのため、「芋ういろう」などと称されることも。

蒸しパン風の『鬼まんじゅう』もありますが、伝統的なものは白玉粉を使って、ういろうに似た、モチモチとした食感です(関東のスーパーで目にする『鬼まんじゅう』風のものは、この蒸しパン+さつま芋)。

さつま芋の角切りが見える様子がゴツゴツして鬼の角や鬼の金棒を連想させるのがその名の由来といわれています。

戦中、戦後の食糧難の時代に普及したという、まさに庶民の味。
戦時下では、美味しいさつま芋よりも収穫量が多い品種の「護国芋」が普及、それが水っぽくて甘みに欠けるので、工夫として『鬼まんじゅう』が普及したともいわれています(ルーツはそれ以前だと推測できます)。
いずれにしろきしめんなどの代表される「名古屋の粉文化」が生んだ、スイーツといえるでしょう。

まあ、ここまでわかったなら、一回食べてみなかんてー!

鬼まん

家庭での簡単な『鬼まんじゅう』の作り方 

愛知県では学校給食に取り入れるところもあるという『鬼まんじゅう』。
そのレシピを紹介します。

【材料】4個分

  • さつま芋 小1個(200g程度)
  • 薄力粉 80g
  • 米粉(上新粉) 20g
  • 砂糖 60g

【作り方】

  1. さつま芋を厚めに皮を剥いて1cmくらいの角切りに
  2. 1cm角のさつま芋を水に晒してアクを抜き、水気を取ってから砂糖をまぶします
  3. 薄力粉と米粉(上新粉)を混ぜて一緒にふるいにかけます
  4. さつま芋(砂糖をまぶしたもの)と粉(薄力粉と米粉のブレンド)を粉っぽさがなくなるまで混ぜ、4等分します
  5. 10cmくらいに切ったクッキングシートの上に4等分した具材をのせます
  6. 蒸し器に濡れたフキンを敷き、具材をのせて15分ほど蒸し、蒸し上がれば完成です
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愛知県「鬼まんじゅう」レシピムービー
【レシピ付き】名古屋を代表するB級グルメの王者は『鬼まんじゅう』
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