豊橋市公会堂

豊橋市公会堂

愛知県豊橋市の中心、吉田城跡近くにある豊橋市立の公会堂。大正デモクラシーを背景に、公会堂設置の機運が高まり、昭和6年に竣工。ロマネスク様式を基調としていますが、円形ドームは、スパニッシュ・コロニアル・リバイバルというカリフォルニアで流行したスペイン統治時代の復興様式。国の登録有形文化財になっています。

ドーム四隅の大鷲は軍都を意識して

設計は静岡県長上郡天王新田村(現・浜松市東区天王町)出身の建築家・中村與資平(なかむらよしへい)。
旧浜松銀行協会(現・木下惠介記念館/浜松市)、三十五銀行本店(現・静岡銀行本店/静岡市)、静岡市役所本館、静岡県庁本館と、中村與資平設計で国の登録有形文化財となった建物が静岡県には数多く残されています。

鉄筋コンクリート造りの3階建てで、大講堂の収容人員は1005席(現在は751席)。
建築費は当時で17万円という巨費が投入されています。

大階段に続くコリント式列柱による玄関も印象的。
階段室上部のモザイクタイルを貼った半球ドームの四隅に配置された羽ばたく大鷲がシンボルとなっています。
豊橋市制25周年を記念して、豊橋市の将来を象徴した力強く羽ばたいて飛び立とうとする4羽の鷲の像です(公会堂は市制25周年記念事業と昭和天皇の御大典記念事業を兼ねて建設)。
豊橋市には明治17年、歩兵第18連隊(吉田城跡に兵舎がありました/弾薬庫などが現存)、明治41年には第15師団(第15師団司令部庁舎は、現在の愛知大学記念館)が置かれ、蚕都とともに軍都とも呼ばれていました。
鷲を配したのはそうした時代をも象徴しているのです。

豊橋市公会堂
豊橋市公会堂
名称 豊橋市公会堂/とよはししこうかいどう
所在地 愛知県豊橋市八町通2-22
関連HP 豊橋市公会堂公式ホームページ
電車・バスで 豊橋市電市役所前停留所から徒歩5分
ドライブで 東名高速道路豊川ICから約9km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 豊橋市公会堂 TEL:0532-51-3077/FAX:0532-51-3078
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
静岡市庁舎本館

静岡市庁舎本館

静岡県静岡市葵区追手町にある昭和9年完成のレトロな庁舎が静岡市庁舎本館。地上4階建てで、3階は今も使われる議場。昭和初期に流行した塔をのせる「帝冠様式」(和洋折衷)ですが、「あおい塔」と呼ばれるスペイン風ドームは、静岡市のランドマークになっ

静岡県庁舎本館

静岡県庁舎本館

静岡県静岡市葵区追手町にある昭和12年完成のレトロな庁舎が静岡県庁舎本館。コンペで入賞した泰井武(やすいたけし)の案に基づき、静岡市庁舎本館の設計をも担当した中村與資平(なかむらよしへい)が実施設計を行なっています。静岡市庁舎本館とともに国

吉田城(豊橋公園)

吉田城(豊橋公園)

中世に三河国渥美郡今橋(現在の愛知県豊橋市今橋町)に築かれた吉田城。江戸時代には吉田藩の政庁となった城で、現在では本丸、二の丸、三の丸一帯が豊橋公園として整備され、本丸北西の鉄櫓(くろがねやぐら)跡に模擬櫓が再建されています。池田輝政時代の

歩兵第十八聯隊正門・哨舎跡(豊橋公園正門)

歩兵第18連隊正門・哨舎跡(豊橋公園正門)

愛知県豊橋市にある吉田藩の藩庁だった吉田城。その城跡は現在、豊橋公園になっていますが、豊橋公園正門は、かつての歩兵第18連隊正門(歩兵第十八聯隊正門)。正門の脇にはコンクリート造りの哨舎跡(しょうしゃあと)が残されています。歩哨(ほしょう)

豊橋ハリストス正教会

豊橋ハリストス正教会

 愛知県豊橋市、吉田城(豊橋公園)の南に隣接して建つのが豊橋ハリストス正教会。ロシア正教会(日本正教会)の信者が増えた大正2年、初代神父・マトフェイ影田叙聖35周年を記念して建てられた聖使徒福音者馬太聖堂(せいしとふくいんしゃまた

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ