仁右衛門島

鴨川市太海(ふとみ)の海岸から200mほどの海上に浮かぶ、仁右衛門島。周囲4kmの小さな島は、なんと平野仁右衛門さん個人所有の島。平野家の当主は代々仁右衛門を名乗りますが、推定38代目という当主の平野仁右衛門さんが、実際に島に暮らしています。島へは太海の渡船場から昔ながらの手漕ぎ船で渡ります。

源頼朝、日蓮聖人の伝説をも潜ませる不思議な島

仁右衛門島へは太海の渡船場から2丁櫓の手漕ぎ船(和船)で渡るのですが「泳いで渡っても同じ値段」とのことで、島の見学と渡船の往復がセットになっているワケです。

1704(宝永1)年築の平野仁右衛門邸以外は売店のみで、源頼朝の隠れ穴、日蓮聖人が朝日を拝んだという神楽岩、平家隆盛の時代に安芸の宮島から勧請したという蓬島弁財天祠など自然と歴史にあふれています。

源頼朝にまつわる伝承は、石橋山の戦いに敗れ、真鶴岬から小舟で安房(あわ=南房総の旧国名)に逃れた頼朝でしたが、土地の豪族・長狭六郎常伴は平家に味方していたため、貝渚(かいすか)に止宿する頼朝を急襲。
頼朝は仁右衛門島の洞窟に逃れ、長狭六郎常伴は三浦義澄に討たれたという話。討たれた場所は魚見塚展望台のある一戦場(いっせんば)で、地名として残されたという伝承です。

源頼朝の上陸地については、鋸南町竜島というのが有力な説で、館山市洲崎などもかつては上陸地といわれていました。
現在では、鎌倉時代に記された歴史書『吾妻鏡』(あづまかがみ)の「武衛相具実平、棹扁舟令着于安房国平北郡猟島給」という記載からも(猟島=竜島)、竜島が有力となっています。

同時に、『吾妻鏡』には、長狭六郎常伴が三浦義澄に討たれたという話も記載されていますから、頼朝伝承が仁右衛門島に残されるのも、なんらかの接点があったのかではと推測できます。

昭和46年公開の映画『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(大映)の舞台であり、ロケ地になっています。

仁右衛門島
名称仁右衛門島/にえもんじま
所在地千葉県鴨川市太海浜445
関連HP仁右衛門島公式ホームページ
電車・バスでJR太海駅から渡船場まで徒歩12分
ドライブで富津館山道路鋸南保田ICから約29.8km
駐車場市営太海フラワーセンター駐車場(257台/有料)
問い合わせ仁右衛門島 TEL:04-7092-3456/FAX:04-7092-3458
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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