誕生寺

天津小湊(あまつこみなと)の海岸に建つ日蓮宗(にちれんしゅう)の総本山。1276(建治2)年、日蓮誕生の地を記念して、生家跡地に、上総興津(かずさおきつ)城主・佐久間重貞、日蓮の弟子・日家(にっけ)上人らが建立したと伝えられる古刹です。日蓮宗の宗祖である日蓮は、1222(貞応元)年2月16日に小湊(現・鴨川市)で生誕。

徳川光圀が生誕地から津波のない山上に移転

誕生寺
誕生寺

1274(文永11)年の蒙古襲来(文永の役)を5ヶ月前に予言したという日蓮
予言者であったのか、世界情勢に詳しかったのか、いずれにせよ、鎌倉時代の革命家的な宗教家・日蓮の生誕の地に、蒙古襲来の2年後に建立されたのが誕生寺です。

その後、室町時代後期の明応地震と津波(地震大海嘯のため土地陥没精舎も亦尽く没す『安房郡誌』)、江戸時代に南房総を震源とする元禄地震(房総半島突端が3.4m隆起)と津波などがあり、徳川光圀(とくがわみつくに=水戸黄門)により、山上の現在地に移転しています。

1706(宝永3)年建立で、宝暦の大火から焼け残った巨大な仁王門(千葉県指定有形文化財)をくぐると、1842(天保13)年再建の総欅造りの祖師堂、平成3年再建の本堂、昭和8年再建で総檜造りの客殿(戦前は皇室の接待所で貴賓殿と称しました)、日蓮の一代記ジオラマ18景や直筆、光圀の書簡などを展示する宝物殿などが建っています。

境内には日蓮聖人が産湯に使ったという井戸(実際の誕生地、旧寺域は海底に没しています)、日蓮聖人御幼像もあり、まさに日蓮聖人ゆかりの聖地になっています。

「誕生寺の線香と磯風」は、環境省の「かおり風景100選」に選定。

日蓮聖人誕生の地
日蓮は1222(貞応元)年2月16日に小湊(現・千葉県鴨川市小湊)に生誕。幼名を善日麿といい12歳まで小湊で暮らしています。1233(天福元)年、清澄寺の道善房に入門。1238(暦仁元)年に出家後、比叡山に学び、三井寺、薬師寺、仁和寺、高野山、天王寺、東寺へ遊学し、1253(建長5)年清澄寺に帰山し、1253(建長5)年4月28日の朝、日の出に向かい「南無妙法蓮華経」と題目を唱え(立教開宗)、名を日蓮と改めています。
日蓮聖人御幼像
日蓮聖人御幼像

誕生寺のおもな年中行事

1月1日〜7日/新春開運初詣り=祖師堂内での新春特別加持祈祷も7日まで執り行なわれます。
8月10日/海施餓鬼流灯会(灯篭流し)=鯛の浦の遊覧船4艘にのせられた灯篭は、船尾よりローソクに火を灯した後、海上につぎつぎに流されます。
11月12日/お会式(七五三詣り)=日蓮大聖人は、1282(弘安5)年10月13日、池上(現・本門寺)で御入滅。「お会式」にあわせて「七つ児詣り」があり、両親閣妙蓮寺から誕生寺祖師堂前まで、万灯を先頭に稚児衣装に着飾った子供達の練行列、稚児音楽大法要などが執り行なわれます。
12月31日/除夜の鐘=大晦日の23:30〜鐘楼前にて整理券を配布。

誕生寺海施餓鬼流灯会(灯篭流し)
海施餓鬼流灯会(灯篭流し)
誕生寺
名称 誕生寺/たんじょうじ
所在地 千葉県鴨川市小湊183
関連HP 誕生寺公式ホームページ
電車・バスで JR安房小湊駅から鴨川日東バス上総興津駅行き、行川アイランド行きで3分、誕生寺入口下車、徒歩5分
ドライブで 首都圏中央連絡自動車道木更津東ICから約45km。または、館山自動車道君津ICから約45.5km
駐車場 市営小湊駐車場150台/有料(8:00〜16:00)
問い合わせ 誕生寺 TEL:04-7095-2621/FAX:04-7095-2055
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
誕生寺御会式

誕生寺『御会式』(七五三詣り)|鴨川市|2024

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大本山誕生寺『宗祖御降誕会』

大本山誕生寺『宗祖御降誕会』|鴨川市

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2017年2月21日

清澄寺

2017年2月21日

 

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