御宿海岸 月の沙漠記念像

月の沙漠記念像

童謡『月の砂漠』は、千葉県御宿町(おんじゅくまち)の御宿海岸の砂丘がモデル。大正から昭和初期にかけて活躍した詩人で叙情画家の加藤まさをが、当地の砂丘にヒントを得て作詩。雑誌『少女倶楽部』(大日本雄辯會=講談社発行)の大正12年3月号に抒情画を添えて発表したのが童謡『月の沙漠』です。

アラビアの王子と王女のラクダでの旅をイメージ

月の沙漠記念像
月の沙漠記念像

御宿には大正2年6月20日に房総線(現在のJR外房線)が開通し、保養地として注目され始めました。
加藤まさをは、学生時代、大正12年に関東大震災が起こるまでの数年間、結核を患い御宿で療養生活を送り、「御宿は日本中で一番懐かしいところ」と記した書簡も残されています。

竹久夢二らとともに抒情画全盛時代を築いた加藤まさをの抒情詩や抒情画は、当時『少女倶楽部』、『少年倶楽部』、『少女画報』(『婦人画報』の妹雑誌)などの雑誌で発表されていました。
佐々木すぐるが曲を付けて童謡としての『月の沙漠』が誕生。

「砂漠」ではなく「沙漠」なのは、海岸を意識してのこと。
御宿海岸には、ラクダ(アラビアのヒトコブラクダ)に乗った王子と王女のブロンズ像が立ち、手前の三日月型の碑には歌詞が刻まれ格好の記念撮影スポットとなっています。
とくに日没時、月明かりなどには、海と砂丘をバックに、幻想的なシルエットとなり、フォトジェニックだと注目を集め、インスタ映えするスポットとして人気を集めています。

記念像の背後には「月の沙漠記念館」もあるので寄り道を。

月の沙漠記念像
月の沙漠のモチーフはどこ!? 御宿(千葉県)VS南遠大砂丘(静岡県)
雑誌『少女倶楽部』大正12年3月号に発表された童謡『月の砂漠』。
挿絵として描かれた抒情画には、中央アジアのフタコブラクダが描かれています。
実は、海外に出たことがない(当時海外旅行は夢物語でした)加藤まさをは、「アラビアの情景」をイメージして作詞。
ということはラクダはアラビアのヒトコブラクダでなければなりません。
モチーフとなった場所も、療養中の大正10年、砂丘の幻想から曲想ということで御宿海岸が通説ですが、加藤まさをの長男・加藤嶺夫氏は、「生まれ故郷は静岡県の藤枝市(注/当時は志太郡西益津村)。海にも近く、よく浜辺に行って泳いだそうです。その記憶がヒントになった、と親類に話しており、私もそう信じているんです」と証言しており、藤枝市に近い砂丘といえば、浜岡砂丘に代表される砂丘地帯・南遠大砂丘があり、たしかにこちらの方が、「沙漠」のイメージに近いものがあります。
御宿海岸 月の沙漠記念像
名称 御宿海岸 月の沙漠記念像/おんじゅくかいがん つきのさばくきねんぞう
所在地 千葉県夷隅郡御宿町須賀
関連HP 御宿町公式ホームページ
電車・バスで JR御宿駅から徒歩7分
ドライブで 圏央道市原鶴舞ICから約31km
駐車場 中央海岸駐車場(90台/無料、土・日曜、祝日と7・8月は有料)
問い合わせ 御宿町観光協会 TEL:0470-68-2414
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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