千葉県市川市中山2丁目にある日蓮宗大本山が、法華経寺(ほっけきょうじ)。中山法華経寺とも称される寺にあるのが、中山大仏です。祖師堂、五重塔、法華堂、四足門が国の重要文化財に指定される名刹のためあまり目立ちませんが、青銅製の釈迦如来坐像で、市川市の文化財にも指定されています。
江戸近郊で最大の青銅製大仏(江戸時代造立)
像高3.44.5m、蓮台高1.07mで、総高4.51.5m、総重量3.9t、享保4年(1719年)に造立されています。
江戸時代中期には青銅製、阿弥陀如来・釈迦如来坐像、丈六(4.85m)、露座の条件で、〇〇大仏と呼ばれるの仏像が全国に造立されていますが(戦時中の金属供出を逃れて40体ほどが現存)、そのひとつ。
大仏背面の銘文から、江戸・神田鍋町住の鋳物師(いもじ)・太田駿河守藤原正義(おおたするがのかみふじわらまさよし)の鋳造で、さらに腰部には、「四海安泰五穀成熟」、「壇門勃興庶民快楽」を祈念して建立されたとあります。
材質は、銅錫鉛合金の青銅。
近年の修復時の調査(像内外の3D計測、青銅成分分析、鋳型土成分分析、鋳造痕跡などの調査)で、大仏34部品、蓮台32部品を使い、分鋳・鋳接法で組み上げたことが判明。
さらに原型の製作→鋳型の製作→部品の鋳造→組み立てという全工程、それぞれの詳細がほぼ解明された貴重な大仏にもなっています。
藤原正義は、品川宿・品川寺の大仏(地蔵菩薩坐像)など江戸六地蔵5体の制作者として知られています(江戸六地蔵=深川の地蔵坊正元が病気平癒に感謝して造立を発願し、多くの人々の浄財を集め、江戸の出入口6ヶ所に勧請)。
江戸時代中期に、江戸周辺で制作された江戸大仏(9体)のなかでは最大のもの。
江戸六地蔵は3m未満なので、かなりの巨像であることがわかります。
修復事業完成を記念し、平成30年10月15日に大仏の両脇に石製大灯籠も配置されています。
法華経寺・中山大仏 | |
名称 | 法華経寺・中山大仏/ほっけきょうじ・なかやまだいぶつ |
所在地 | 千葉県市川市中山2-10-1 |
関連HP | 法華経寺公式ホームページ |
電車・バスで | 京成電鉄京成中山駅から徒歩5分、JR下総中山駅から徒歩10分 |
ドライブで | 京葉道路京葉市川IC・原木ICから約4km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 法華経寺 TEL:047-334-3433/FAX047-334-1796 |
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