千葉県、千葉市という千葉という地名は、実は千葉さんという人の名に由来。というわけで、全国の千葉さんが集結する『千葉氏サミット』を開催。さらに岩手県一関市、福島県相馬市、岐阜県郡上市、佐賀県小城市、千葉県佐倉市・酒々井町・東庄町・多胡町と千葉氏に関連する自治体の首長によるフォーラムも予定。
2026年の千葉開府900年に向けて千葉氏サミットを開催
桓武平氏の流れを汲む千葉氏。平安時代中期に坂東(関東地方)に下向して武家となった桓武平氏流の平良文を祖とする坂東八平氏(ばんどうはちへいし)のひとつ。鎌倉公方を支える関東八屋形(かんとうはちやかた/宇都宮氏、小田氏、小山氏、佐竹氏、千葉氏、長沼氏、那須氏、結城氏)のひとつでもあり、鎌倉時代には幕府を支えた名族です。
鎌倉時代に成立した日本の歴史書『吾妻鏡』などによれば、前九年の役・後三年の役平で活躍した平常長(たいらのつねなが/1024年〜1108年)は、上総国(かずさのくに)大椎(現・千葉市緑区大椎町)に館を構え、下総国(しもうさのくに)千葉郷(現在の千葉市中央区一帯には鳥羽院、のちに鳥羽院の娘である八条院の荘園がありました=千葉荘)に進出して千葉大夫と号しました。
平常長の次男・平常兼(たいらのつねかね/1045年〜1126年)が千葉大介と号したとされ、これが千葉氏の始まり。全国の千葉さんのルーツとなる人物です。
千葉の姓は三男の千葉常重(ちばつねしげ)が継承しますが、この常重が千葉氏の実質的な初代当主。
大治元年(1126年)に千葉常重が亥鼻に館を構えたのが千葉市の開府
大治元年(1126年)に死去した父・平常兼から下総国千葉郷を継承します。
千葉常重が名字とした庄園・千葉庄は、ほぼ同時期に八条院に寄進され成立したと見られています。千葉庄は下総国内では最大級の庄園で、中世には陸海の交通の要衝でした。
常重の所領は、千葉荘の他に相馬郡(現・福島県相馬市)、立花郷(後の橘庄=現在の香取市、香取郡東庄町)、麻績郷(香取市)などでした。つまり、これらの市町が千葉氏ゆかりの自治体。
常重は大治5年(1130年)には相馬郡内の所領を神宮(伊勢神宮)に寄進して相馬御厨(そうまみくりや)を成立させています。
常重の子、千葉常胤は、房総に逃れた源頼朝を支援し、頼朝に対して鎌倉に本拠を構えることを進言しています。
千葉氏は九州の北部(今の佐賀県小城市)に領地を持ち、さらには郡上八幡も千葉常胤の六男・東六郎胤頼ゆかりの地。
千葉市は、「大治元年(1126年)に千葉常重が亥鼻付近に館を構え、都市としての千葉が誕生」としています。つまり千葉市の開府は、1126年と行政が定めているのです。
千葉さんが岩手県、宮城県に多いのは義経に関係している!?
千葉さん(千葉姓)は、現在全国に約20万人。日本の姓では91位の数です。
全国的に見れば数は少ない方の千葉さんですが、岩手県4位(3万4400人)、宮城県6位(5万500人)。では東北が多いのかといえば、山形県248位、秋田県37位で、岩手県、宮城県が突出。ルーツの千葉県では116位(千葉県在住の千葉さんは約8800人)、関連の佐賀県950位(およそ120人しか千葉さんは住んでいません)、福島県93位(約3400人)、岐阜県637位(約500人)。
ではなぜ岩手県、宮城県に千葉さんが多いのかといえば、そのルーツは、なんと源義経の最期、源頼朝の奥州征伐にまで遡ります。
源義経をかくまった藤原泰衡(ふじわらのやすひら)を討つため、頼朝は奥州へと大軍を差し向けます。千葉常胤(ちばつねたね=千葉氏を地方豪族から大御家人の地位まで登らしめた千葉家中興の祖)は東海道軍の総大将。奥州・厨川において藤原泰衡を滅ぼし、その論功行賞として「陸奥五郡」を頼朝から賜ったのです。
千葉常胤は一族で「陸奥五郡」を領有。さらに千葉胤常、千葉胤氏ら千葉一族は関東から奥州へと下向しました。
ちなみに「千葉ちゃん」の愛称で親しまれる国際スターの千葉真一は、本名・前田禎穂(まえださだほ)で、千葉さんではありません。
福岡市出身で千葉県君津育ち。浜田幸一、中尾彬などを生んだ名門・千葉県立木更津高等学校の卒業ということで、芸名に千葉を採用した次第。
千葉氏サミット | |
開催日時 | 2018年5月26日(土)〜5月27日(日)13:30~17:50 |
所在地 | 千葉県千葉市中央区中央1-12 |
場所 | 千葉市中央区中央公園周辺 |
電車・バスで | 千葉都市モノレール葭川公園駅から徒歩2分。または、JR千葉駅・京成千葉中央駅から徒歩7分 |
ドライブで | 京葉道路穴川ICから15分 |
問い合わせ | 千葉氏サミット実行委員会TEL:043-245-5660 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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