ギネス認定の「世界一狭い海峡」が日本にあることをご存じだろうか? 海峡とは、陸地によって狭められている海域。宗谷海峡、津軽海峡、明石海峡、鳴門海峡、関門海峡など国内にも数ある海峡ですが、「世界一狭い海峡」はどこにあるのでしょう? それが小豆島(しょうどしま/香川県)にある土渕海峡(どふちかいきょう)です。
世界一狭い土渕海峡を渡ろう!
ギネス認定の「世界一狭い海峡」と聞いて、「多分、瀬戸内海」と推理した人は、かなりの旅好きか、地理マニアでしょう。
実は海峡の中でも幅の狭いものを瀬戸といい、島の多い瀬戸内海には各地に「瀬戸」があるのですから。
広島県呉市の音戸の瀬戸は幅わずかに90mですが、残念ながら世界一ではありません。
海峡のなかでも幅の狭い場合は「瀬戸」といいましたが、ギネス認定「世界一狭い海峡」は、瀬戸とはいわずに堂々と海峡を名乗っています。
答えは、香川県小豆郡土庄町の土渕海峡で、小豆島と前島の間にある海峡です。
海峡自体の全長は、約2.5kmとかなりのものですが、幅がもっとも狭い部分はなんと9.93mしかありません。
9.93 meters(32.5 feet)というその狭さゆえに1996年に「世界で一番狭い海峡」(The narrowest strait in the world)としてギネス認定されたのです。
名前は、前島の土庄地区の「土」と小豆島本島の渕崎地区の「渕」という頭文字を取っています。
最狭部分には香川県道26号土庄福田線、永代橋(えいたいはし)が架かり、すぐ近くには土庄町役場もあります。
橋は、フレトピア公園と隣接する「ふれとぴあ橋」、伝法川河口の「オリーブ大橋」と3つありますが、最も短いのが永代橋なのです。
土庄町商工観光課では「世界一狭い海峡横断証明書」(100円、台紙付きは200円)も発行してくれます(平日 8:30~17:00/その他の時間帯は土庄町役場宿直室で発行)。
小豆島ではエンジェルロード(天使の散歩道)が有名ですが、島を訪ねたらぜひ「世界一狭い海峡」も、ぜひ見学を。
【海峡の定義】 水道、瀬戸との違いは?
海上保安庁によれば、「海峡とは、陸地が迫って狭くなった水域で狭い通路。水道とは、水の流れる道、船の通り道を意味しているが、その間には本質的な相違はなく海洋情報部でも区別はしていない」とあり、海峡と水道は同じという認識。
瀬戸内海に多い、瀬戸は両側から陸地が迫った小さな海峡を指す言葉なので、サイズ的に小さい海峡は、瀬戸ということに。
語源的には狭門(せと)なので、これには頷けます。
陸上でもこの瀬戸があるのは、この狭門の意から。
『瀬戸内海事典』には、「瀬戸とは迫門(せと)、狭門(せと)、湍門(せと)で、海峡を意味し、瀬戸内海は海峡の内側の海をさしている」とあり、海峡の内側の海と定義しています。
土渕海峡が瀬戸でないのは、その2.5kmという長さと幅400mと広い部分があるからと推測できます。
ギネス認定の「世界一狭い海峡」へ! | |
名称 | 土渕海峡/どふちかいきょう |
所在地 | 香川県小豆郡土庄町甲559-2 |
電車・バスで | 土庄港からタクシーで5分 |
ドライブで | 土庄港から約1.5km |
駐車場 | 70台/無料 |
問い合わせ | 土庄町商工観光課 TEL:0879-62-7004/FAX:0879-62-7070 |
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