JR東日本が山形新幹線「つばさ」用に2024年3月16日に営業運転を開始した車両が、新幹線E8系電車。しかも、福島駅〜山形駅〜新庄駅間の奥羽本線部分は、在来線(1067mmの狭軌)を新幹線と同じ標準軌(1435mm)に拡幅改軌というミニ新幹線。そのため、様々な工夫がされているのです。
「在来線のようで、在来線でない」


E8系「つばさ」が凄いのは、東京駅〜福島駅の東北新幹線区間で最高速度300km/hでの運転(従来は最高速度275km/h)が可能なこと。
営業運転開始と同時に、最高速度300km/h運転が始まり(最高速度で走る区間は宇都宮駅〜福島駅間のみ)、それまで1分短縮するのが精一杯だった所要時間を、なんと4分も短縮したのです。
実はこのE8系、山形新幹線に25年ぶりに投入された新型車両。
最高速度300km/h運転を実現するため、先頭車両は独特のアローライン形状(鼻先の長い形)となっています。
外観、その性能はまさに最先端の新幹線ですが、新幹線(フル規格)の車両限界が幅3.4m・高さ4.5mに対し、在来線(山形新幹線などのミニ新幹線)は幅2.95m・高さ4m。
東京駅〜福島駅は、フル規格のE5系「やまびこ」と併結して走りますが、E8系「つばさ」の車体幅は在来線の限界である2945mmしかありません。
つまりはE8系よりもひとまわり小さく、車体幅が40cmほど狭いサイズなのです。
新幹線のホームでは、車幅が足りないため、車体とホームとの間に隙間が生まれるので、ドアの開く際にはステップが出てくる仕組みになっています。
大幅に異なるのが「在来線仕様」ともいえる室内。
新幹線の普通車は2列+3列シートですが、E8系「つばさ」の普通車は2列+2列で在来線と同じ。
グリーン車も2列+1列ではなく、2列+2列です。
在来線は最高速度130kmで走行しますが、横揺れを打ち消す方向の力をあえて発生させて横揺れを低減する「フルアクティブサスペンション」を全車両に搭載し、「新幹線らしい」乗り心地の向上を図っています。
実は東北新幹線のカーブは、一部の都市区間を除いて半径4000mとかなり緩やかに設定されています。
ところが在来線である奥羽本線は、半径400mのカーブが多数あるほか、板谷峠越えの福島駅〜米沢駅間の山岳路線には半径300mのカーブもあって、高速で走るとかなり揺れることになるのです。
半径4000mのカーブを300km/hで通過、さらに在来線のカーブの連続でも横揺れを防ぐために、「フルアクティブサスペンション」が採用されているのです。
一見すると新幹線、実はミニ新幹線の「つばさ」。
一度、乗車してみると「新幹線のようで、新幹線でない」もしくは「在来線のようで、在来線でない」違いに気がつくことでしょう。


新幹線のようで、新幹線でない!? E8系「つばさ」の魅力 | |
開催日時 | 駅全体がシェルター内の秘境駅・大沢駅が、12月1日から全列車通過に!と相互リンクをお願いします |
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