日本の電鉄 開業順Best30

鉄道の開通当初は当然蒸気機関車が客車や貨車を牽引していましたが、全国に水力発電による電力会社が開業すると、余剰電力の利用や、電力消費の目的などもあって電気鉄道を敷設する動きが起こります。日本初の電車は、明治28年2月1日開業で、琵琶湖疏水の電力を利用した京都電気鉄道です。開業順にBEST30を紹介します。

京都、名古屋、川崎がBEST3

1.京都電気鉄道(明治28年2月1日開業/後の京都市電の一部)
2.名古屋電気鉄道(明治31年5月6日/後の名古屋市電、名鉄)
3.大師電気鉄道(明治31年2月25日/現・京急大師線)
4.小田原電気鉄道(明治33年3月21日全線電化)
小田原電鉄

5.豊州電気鉄道(明治33年5月10日/後の大分交通別大線)
6.江之島電気鉄道(明治35年9月1日)
7.宮川電気(明治36年8月1日/後の三重交通神都線)
8.東京電車鉄道(明治36年8月22日/現・東京都電)
9.大阪市営電気鉄道(明治36年9月12日)
10.東京市街鉄道(明治36年9月15日/現・東京都電)
11.土佐電気鉄道(明治37年5月2日)
12.横浜電気鉄道(明治37年7月15日/後の横浜市電)
13.甲武鉄道(明治37年8月21日/現・JR中央本線)
14.東京電気鉄道(明治37年12月8日/現・東京都電)
15.阪神電気鉄道(明治38年4月12日)
16.川越電気鉄道(明治39年4月16日/後の西武鉄道大宮線)
川越電気鉄道

17.駿豆電気鉄道(明治39年11月28日/後の伊豆箱根鉄道軌道線)
18.岩村電気軌道(明治39年12月5日)
岩村電軌鉄道

19.玉川電気鉄道(明治40年3月6日/現・東急世田谷線)
20.瀬戸電気鉄道(明治40年3月17日/現・名鉄瀬戸線)
21.南海鉄道(明治40年8月11日/難波〜浜寺公園間電化、現・南海電鉄)
22.龍野電気鉄道(明治42年1月1日)

23.和歌山水力電気(明治42年1月23日/後の南海電鉄和歌山軌道線)
24.岩国電気軌道(明治42年2月2日)
岩国電気軌道

25.呉電気鉄道(明治42年10月31日/後の呉市電)
26.伊那電気鉄道(明治42年12月28日/現・JR飯田線)
27.福博電気軌道(明治43年3月9日/後の西日本鉄道福岡市内線)
28.箕面有馬電気軌道(明治43年3月10日/現・阪急電鉄)
箕面有馬電気軌道

29.兵庫電気軌道(明治43年3月15日/現・山陽電気鉄道)
30.嵐山電車軌道(明治43年3月25日/現・京福電気鉄道)

電力会社が鉄道を経営した時代

明治43年4月に設立された王子電気軌道。
現在の都電荒川線の前身である大塚〜飛鳥山間の軌道をは、明治44年8月に開通させていますが、11月には北豊島郡王子、巣鴨、板橋、岩淵、滝野川、尾久、三河島の各町村と埼玉県北足立郡川口町(現・川口市)での電気供給事業を開始しています。

日本初の電力会社、東京電燈は明治20年11月に電力の供与を開始した老舗ですが、前橋電気軌道(利根発電から電気供給/田中町〜岩神村〜北橘村〜渋川町、明治43年全線電化/後の東武伊香保軌道線)、利根軌道(利根発電から電力供給/渋川〜沼田間、明治44年開業)、吾妻軌道(渋川〜中之条間、大正9年電化)、江之島電氣鉄道(現在の江ノ電=横浜電気合併による)などを経営していました。

明治時代の鉄道は、官設のものを除くと、馬車鉄道を転用し電化したものが大半で、電化の際に電気供給事業に参入するケースが多かったのです。

また、最古の電鉄会社で、日本初の路面電車でもある京都電気鉄道のように、電力の消費拡大なども鉄道経営の大きな魅力で、京都電燈は、越前電気鉄道(現・えちぜん鉄道勝山永平寺線)、嵐山電車軌道(現・京福電気鉄道嵐山本線)、さらには叡山鋼索線・比叡山空中ケーブル(現・叡山ケーブル・ロープウェイ)なども経営していました。

東京さくらトラム(都電荒川線)

東京さくらトラム(都電荒川線)

2021年4月10日

 

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