東京から南房総へと旅しようと思ったら、玄関口となる館山駅(たてやまえき)まで直通する特急はありません。房総特急と称された特急「さざなみ」は、東京駅〜木更津駅・君津駅で、館山駅方面へは君津駅で各駅停車に乗り換える必要があります(しかも各停が行楽シーズンは混雑します)。
L特急時代には南房総の足として大活躍の特急「さざなみ」

かつては両国始発で、房総を一周する循環急行も走ったほどの利用者があった内房線。
昭和47年7月15日、東京駅地下ホームまで総武快速線が伸びたことを受け特急「さざなみ」(183系電車)が東京駅〜館山駅・千倉駅に運転を開始。
昭和57年11月15日には急行列車が廃止され、南房総への内房線を走る優等列車は特急「さざなみ」のみとなりました。
新宿発の「さざなみ」などの運転、海水浴シーズンの臨時列車も運転、さらに館山駅では南房フラワーラインのJRバスに接続するなど、観光の足として活躍しました。
この特急「さざなみ」が陰りを見せたのは、南房総への高速道路の延伸。
平成11年3月27日、富津館山道路の富津竹岡IC〜鋸南富山ICが開通、平成16年5月29日に鋸南富山IC〜富浦ICが延伸し、全線開通したことを受け、高速バスの利用者が急増したのです。
その影響で、特急「さざなみ」の利用者は大幅に低下。
平成27年3月14日のダイヤ改正で君津駅〜館山駅の定期運転が終了したのです。
現在走る特急「さざなみ」も東京方面が朝、木更津方面が夕方以降と、まさにホームライナーの扱い。
観光特急としての役割はまったくなく、すでに特急としての役割を終えているのです。
特急で快適に南房総へ行こうと考えるなら、連休や年末年始などには新宿駅〜館山駅に特急「新宿さざなみ」が運転されるので、それを狙うしかありません。
奥の手としては、安房鴨川駅まで外房線の特急「わかしお」を使い、外房線各駅停車で館山駅を目指すプランもありますが、乗り鉄でもない限りはかなり遠回りのルートとなってしまいます。
JR東日本的には内房線は諦めた状態で、内房線のローカル化はさらに進んでいくのかも知れません。
それでも行楽シーズンは、浜金谷駅あたりまでは各駅停車も大混雑なので、まだまだ需要はありそうなのですが。

| 南房総・館山への特急はゼロ! 特急「さざなみ」は役割を終えた!? | |
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