【私鉄特急】最高速度ランキング

【私鉄特急】最高速度ランキング

私鉄特急の最高速度は、京成の「スカイライナー」がダントツの時速160kmですが、表定速度(駅間の実際の速度)は時速89kmで、こちらは近鉄特急「ひのとり」が時速91kmで私鉄最速。ともに軌間1435mm(標準軌)で疾走しています。大手私鉄の特急における最高速度をランキングしてみましょう。

第1位・160km/h 京成電鉄|スカイライナー

スカイライナー
スカイライナー

京成電鉄の成田空港アクセス特急の「スカイライナー」は最高速度は時速160kmで、私鉄特急だけでなくJRの特急と比較しても新幹線を除いては日本最高速。
平成22年7月17日に開業した成田スカイアクセス線(京成成田空港線=京成高砂駅〜成田空港駅)を走る部分は、踏切の無い高規格路線で、高速運行に対応した信号などが整備されているため、時速160kmで運転されています。
ただし、成田スカイアクセス線は、新幹線と同じで軌間1435mmの標準軌。
在来線の軌間1067mm(狭軌)よりも軌間が広いので、高速でも安定した運転が可能となるのです。

ただし、鉄道ファンがこだわる駅間の所要時間となる表定速度は、京成本線で大幅にスピードダウンを余儀なくされるため、時速89kmとなり、私鉄トップの座を近鉄に譲っています。

第2位・130km/h 近鉄|ひのとり

ひのとり
ひのとり

最高時速130kmで名阪間を結ぶ近鉄特急「ひのとり」は、日中時間帯の最速列車における所要時間は2時間5分。
表定速度は時速91kmとなり、私鉄でトップ、JRを含めてもトップ10入りする速達性を誇っています。
近鉄名古屋線(近鉄名古屋駅~伊勢中川駅)は、昭和34年11月27日に1067mm(狭軌)の線路幅から1435mm(標準軌)に改軌し、大阪線、山田線との直通運転が実現。
この大規模なプロジェクトが功を奏して、日本の私鉄では唯一となる最高速度130km運転を行なっているのです。

第3位・120km/h 東武・京浜急行・名鉄・南海の特急

名鉄特急(2200系)
名鉄特急(2200系)

東武鉄道、京浜急行電鉄、名古屋鉄道、南海電気鉄道の4社の特急は、最高速度120kmで運転。
東武、名鉄、南海はJRと同じで軌間は1067mm(狭軌)ですが、京浜急行電鉄は1435mm(標準軌)のため少し物足りないスピードですが、カーブなどの多い地形のため時速120kmで運転されています。

第4位・115km/h 阪急

阪急快速特急「京とれいん 雅洛」
阪急快速特急「京とれいん 雅洛」

阪急電鉄はJRなどとライバル関係にある阪急京都本線もJRよりも幅の広い1435 mm(標準軌)ですが、最高速度は115kmに抑えられています。
阪急神戸線は平成18年10月に、駅停車時のブレーキ操作の改良で、それまでの最高速度110kmから115kmにアップし、特急と通勤特急が夙川駅に停車するようになりました。
設計最高速度は130km/hなので、高速化が図られることがあるのかもしれませんが、停車駅が増加という利便性も兼ね合わせているため、表定速度のアップには繋がらないことも。

京都本線の大阪梅田駅〜京都河原町駅間で平日日中下りに運転される列車の最高は所要42分30秒で、表定速度は時速67.3 kmと、最高速度115 kmで走行の割には、少し物足りない感じですが、JR(新快速は最高速度130km)に比べ、阪急はカーブが多いという制約があります。
単に速く走っても前を行く列車に追いついてしまい、抜くことができなければ、車両の高速対応は、宝の持ち腐れになるので、都市間を走る特急の高速化には多くの難題を抱えているのです。

第5位・110km/h 東急・京王・小田急・京阪・西鉄

小田急ロマンスカーGSE(70000形)
小田急ロマンスカーGSE(70000形)

東急(世田谷線を除く)、小田急、京王井の頭線は狭軌ですが、京王本線は馬車鉄道由来で、都電と同じ1372mm軌間の「スコッチゲージ」、京阪と西鉄は1435 mm (標準軌)と狭軌に比べて幅広いので、少し物足りない感じがありますが、それぞれの事情を抱えています。
京王本線の場合は、並行するJR中央本線に比べてもカーブが多いなどの障害があり、もし高速運転をしても加速してはすぐに減速するという手荒な運転となるので、最高速度も抑えられているのです。

第6位・106km/h 阪神

阪神8000系
特急などに使用される阪神8000系

阪神電鉄の車両も設計上は110km/hで走るようになっていますが、ATS(自動列車停止装置)の検知誤差を考慮して、マイナス4km/hして阪神では特急が最高106km/h、普通列車最高91km/hで運転されています。
直通運転の乗り入れ先となる山陽電鉄は最高110km/h、近鉄奈良線は最高105km/hなので、山陽線内に入って初めて設計上の最高速度を実現しています。

第7位・105km/h 西武

Laview (ラビュー)
Laview (ラビュー)

西武鉄道は軌間1067mm(狭軌)で、池袋線の特急「ちちぶ」、「むさし」も最高速度は105km/hに抑えられています。
首都圏の大手私鉄では「もっとも遅い特急」で、快速急行、急行、各駅停車まですべて同じ最高速度です。
使用されるLaview (ラビュー)も設計最高速度は、120km/hなので、目下宝の持ち腐れ状態。

西武池袋線から東京メトロ有楽町線・副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線を直通する有料座席指定列車「S-TRAIN」(西武40000系)は、西武池袋線では最高速度は105km/hですが、東急東横線内では110km/hで運転されています。

第8位・100km/h 相鉄

10000系
相模鉄道10000系

相模鉄道も8000系は最高速度110km/h、10000系と11000系は最高速度120km/hの設計速度ですが、相鉄線内では100km/hが最高速度です。
これはカーブが多いためで、表定速度も最速の特急でも56.7km/hと、60km/hを切っています。
ただし乗り入れ先の東急線内では110km/hで走行し、速達性を高めています。

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