福岡県糸島市、紅葉で名高い雷山(らいざん/標高955m)北中腹、標高400m〜480mの山中に築かれた古代山城(こだいさんじょう)が、雷山神籠石(らいざんこうごいし)。博多湾や玄界灘を一望にする地に築かれた、東西300m、南北700mの山城で、谷の南北に築かれた水門、水門から東西に延びる列石群が現存しています。
雷山に刻まれた古代山城
北水門は切石を長さ12m、幅10m、高さ3mに積み上げた強固な造りで、水門の東西両端からは列石が「ハ」の字形に開きながら尾根頂上に向けて急斜面に続いています。
神籠石と名付けられたのは、高良山神籠石(福岡県久留米市)と同様に、かつては聖なる地(宗教上の神域)だと考えられていたため。
その後の研究で、朝鮮の古代山城の構造との類似点が多いことから、山城であることが判明しています。
文献上に記載のない城のため、築城の時期は定かでありませんが、博多湾や玄界灘を一望という場所的にも天智天皇2年(663年)の白村江の戦い(はくすきえのたたかい=百済復興を目指す日本・百済遺民の連合軍と唐・新羅連合軍との間の古代の国際戦争)の前後に、唐・新羅連合軍の襲来を考慮して築かれたものと推測できます。
古代山城は九州、瀬戸内を中心に20以上も築かれていますが、唐・新羅連合軍の上陸地点と見なされ、もっとも数の多い福岡県内には大野城(おおののき/太宰府市・大野城市・糟屋郡宇美町)など10城の古代山城があり、糸島市内にも雷山神籠石のほか、高祖山(たかすやま)に怡土城(いとのき)が築かれています。
雷山神籠石近くの不動池ダムのダム湖、不動池は、池の中に木々が茂るという不思議な光景を目にすることができ、秘境的な存在になっています。
また雷山神籠石の東側には紅葉で名高い雷山千如寺大悲王院があります。
雷山神籠石 | |
名称 | 雷山神籠石/らいざんこうごいし |
所在地 | 福岡県糸島市雷山・飯原 |
関連HP | 糸島市公式ホームページ |
ドライブで | 西九州自動車道前原ICから約11km |
問い合わせ | 糸島市教育委員会文化課 TEL:092-323-1111/FAX:092-321-0920 |
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