福岡県大牟田市にある福岡県が管理する港が、三池港(みいけこう)。三池炭鉱で採炭される石炭の積出港として、明治41年3月に完成した港で、有明海の干満差を克服するため、内港の入口に設置されたのが三池港閘門。経済産業省の近代化産業遺産、そして世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産にもなっています。
有明海の干満差を克服、大型船の接岸を可能にした閘門
三池港は「産炭地域の特性に応じた近代技術の導入など九州・山口の石炭産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の近代化産業遺産にも認定、さらに世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の構成資産にもなっていますが、その中心的な存在が、この三池港閘門。
閘門部分は、幅20.12m、長さ37.51mで、周辺の人工島は花崗岩を積み上げ、閘門の底にも花崗岩を敷いています。
明治41年2月23日に三池港閘門が設置され、ドック内の係船岸壁は延べ421mもあるので1万トン級3隻の船舶の荷役が同時に可能となったのです。
三池港閘門には、ドック側に観音開きとなる2枚の鋼鉄製の門扉を有していますが、その1枚の長さは12.17m、高さ8.84m、厚さ1.20m、重さ91.30tという巨大なもの。
英国テームズ・シビル・エンジニアリング社製(戦艦「敷島」を建造した会社)で、現在も当初のまま水流ポンプによって操作されています(駆動ベルトはコットンベルトからゴムベルトへ変更)。
門の両側には、大潮時の潮流緩和、船舶の閘門通過を容易にする目的の補助水堰(スルースゲート)がありますが、これも往時のまま。
明治38年には三池炭鉱と三池港を結ぶ三池炭鉱専用鉄道も完成。
1万t級の船が係船されるドックの岸壁には岸、スキップ式(移動式)石炭船積機を2基(後に3基に増強)を設置し、積込能力は1時間に250t、一昼夜で5000トンtという能力を誇っていました。
三池港閘門 | |
名称 | 三池港閘門/みいけこうこうもん |
所在地 | 福岡県大牟田市新港町 |
関連HP | 大牟田市公式ホームページ |
電車・バスで | JR大牟田駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 九州自動車道南関ICから約18km |
駐車場 | 島鉄高速船乗り場前広場を利用 |
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