長崎でカステラといえば「福砂屋」の名が必ず最初に出てきますが、「カステラ本家 福砂屋」は、寛永元年(1624年)の創業。つまり、2024年は記念すべき400周年の年ということに。登録商標の「蝙蝠ロゴ」と「400(周年)」をシンプルに表現した「400周年記念ロゴマーク」もつくられています。
カステラ文化を伝承する老舗のロゴは、コウモリ!
「カステラ本家 福砂屋」のロゴは、バットマンを思わすような蝙蝠(コウモリ)マーク。
明治時代、福砂屋の12代店主である清太郎が、カステラをもっと長崎を代表する菓子として育てたいとの願いを込めて現在の「蝙蝠」の商標へ変更したのです。
なぜコウモリかといえば、中国では、「蝠」(こうもり)と「福」が同音の「fú」で縁起が良く、慶事・幸運の印とされているから。
唐寺・崇福寺の住職の勧めもあってコウモリにしたという、長崎らしいロゴなのです。
福砂屋創業の寛永元年(1624年)は、前年に将軍職に就いた3代将軍・徳川家光が、スペイン船の来航を禁止して、スペインとの国交を断絶した年(実質的には大御所となった徳川秀忠が権力を掌握)。
この年、ポルトガル人よりカストルボル(カステラ)の製造方法を伝授され、貿易商だった福砂屋は、砂糖を取り扱っていたこともあって、容易にカストルボル(カステラ)を作ることができたのだと推測できます。
福砂屋の名は、中国・福州(福建省の中心で、五朝古都のひとつ、日中貿易の拠点)の砂糖の意なんだとか。
福砂屋のカステラは、手作りが自慢。
卵の手割りに始まり、泡立て、混合、撹拌、釜入れ、焼き上げまで、ひとりの職人が一貫して責任をもって製造しています。
この職人技があって、「ふっくら・しっとりとした福砂屋独特の食感、コクのある甘みと風味を生み出します」とのこと。
添加物を一切使用しないという材料も、卵(国産鶏卵) 、小麦粉、砂糖(上白糖、双目=ザラメ糖)、水飴(米飴)といたってシンプル。
一流の料理人が、「シンプルゆえに真似できない」と自慢するのに似て、卵への格別のこだわり、攪拌技術(卵を白身と黄身に分け、まず白身を十分に泡立て、その後に黄身と双目糖を加えさらに撹拌するという手間のかかる別立法)、品質管理、季節ごとの色や状態のチェック、ザラメの質感を出す鍛錬を重ねた手法などの細やかな技術が、味の決め手となっているのです。
長崎カステラの老舗「福砂屋」が400周年! | |
関連HP | 福砂屋公式ホームページ |
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