館林城本丸跡のすぐ北側一帯は「歴史の森」として整備されていますが、昭和54年市役所庁舎の建築に伴い「歴史の森」に移築された旧上毛モスリン事務所(館林市第二資料館)は、明治41年〜明治43年に建てられた木造2階建ての擬洋風建築。上毛モスリン株式会社の本館の事務所として使われたモダンな建物です。
上毛モスリンの歴史を今に伝える貴重な建物
尺貫法を用いた入母屋造りで、内部は小屋組を基本とした和風。
それでいて外観はシンメトリー(左右対称)で、上下開閉式の窓など随所に洋風の意匠が施されています。
モスリンとは、羊毛などの梳毛糸を平織りにした薄地の織物の総称で、上毛モスリンは毛織物。
モスリンの国内生産は、館林で始まり、明治40年8月27日の東武鉄道館林駅の開業もあって、工場の大型化などが始まりました。
上毛モスリン株式会社は明治35年に創業。
明治43年、明治工場を館林城二の丸跡に移転し、事務所を新築したのです。
上毛モスリンはその後、関東大震災の打撃で破産して共立モスリンとなり、さらに日本毛織に合併し、その事務所として使われましたが、中島飛行機に貸与され、終戦直後はGHQの倉庫となっています。
戦後は神戸生絲館林工場の一部となりますが、昭和53年に工場の一部が市庁舎の建設地となったことで館林市に譲渡され、曳家されて歴史の森に保存されたもの。
群馬県の重要文化財、そして「ぐんま絹遺産」(群馬県内に残る養蚕、製糸、織物、流通に関わる建造物や施設、民俗芸能などを対象に、県が登録した絹の遺産)に登録されています。
旧上毛モスリン事務所(館林市第二資料館) | |
名称 | 旧上毛モスリン事務所(館林市第二資料館)/きゅうじょうもうもすりんじむしょ(たてばやししだいにしりょうかん) |
所在地 | 群馬県館林市城町2-3 |
関連HP | 館林市公式ホームページ |
電車・バスで | 東武伊勢崎線館林駅から徒歩25分 |
ドライブで | 東北自動車道館林ICから約4.2km |
駐車場 | 尾曳駐車場(253台/無料) |
問い合わせ | 旧上毛モスリン事務所(館林市第二資料館)TEL:0276-74-9665 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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