西宮砲台跡

西宮砲台跡

兵庫県西宮市西波止町、御前浜公園の浜辺に残るのが西宮砲台跡。幕末、アメリカのペリー浦賀来航やロシア船ディアナ号大阪湾来航などにより、海防に不安を感じた江戸幕府は大阪湾岸の防備(摂海防備=摂津国の海岸部の防備)に着手します。文久3年(1863年)に着工し、慶応2年(1866年)完成したのが西宮砲台です(国の史跡)。

幕末に沿岸防備で築かれた砲台の跡

文久3年(1863年)3月、勝海舟(かつかいしゅう)の建議により、摂海防備における砲台の位置を湊川、和田岬、西宮、今津に定め、大坂町奉行所役人、西宮地付同心の立ち会いのもと、西宮、今津両砲台の工事は並行して進められました。
着工は文久3年8月3日(1863年9月15日)、工事を請け負ったのは、幕府廻船方御用達・嘉納次郎作。
石材は白石島、北木 島、真鍋島(現・岡山県笠岡市)などから運んでいます。

高さは約12m、内径約17m、壁厚1.21mの石造円堡。
外壁は漆喰仕上げ、内部は3層という頑丈な造りです。
筒口を四方に向ける装備で、空砲を試射したところ砲煙が砲台内に立ちこめたため、一度も使用されずに明治維新を迎えています。
明治17年の火災で2階の木造構造部分を焼失していますが、砲台石郭部は建築当時の面影を残しています(昭和53年、内部の鉄骨による補強、天井設置など改修作業を実施)。

ちなみに、御前浜公園(おはえはまこうえん)の前身は、明治40年開園の香櫨園遊園地(こうろえんゆうえんち/香野蔵治と櫨山喜一が開設した、当時関西最大の遊園地)、香櫨園浜海水浴場。
香櫨園遊園地は、大正2年に廃業し、香櫨園浜海水浴場も水質悪化で昭和40年に廃止されています。

名称 西宮砲台跡/にしのみやほうだいあと
所在地 兵庫県西宮市西波止町5374
電車・バスで 阪神電鉄香櫨園駅から徒歩20分
ドライブで 阪神高速道路3号芦屋ICから約2.5km
駐車場 御前浜公園駐車場(84台/有料)
問い合わせ 西宮市立郷土資料館 TEL:0798-33-1298
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
御前浜橋

御前浜橋

兵庫県西宮市の西宮浜総合公園と対岸の御前浜公園(香櫨園浜)を結ぶ歩行者専用の橋が御前浜橋(おまえはまばし)。阪神淡路大震災により被害を受けた西宮大橋に代わり、生活道路として架橋された橋ですが、桁下の高さは満潮時で3.9mしかないため、跳ね橋

 

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