八徳山八葉寺

兵庫県姫路市香寺町にある天台宗の寺が、八徳山八葉寺（はちようじ）。天平8年（736年）、行基開創と伝わる古刹。平安中期に『日本往生極楽記』を著した慶滋保胤（よししげのやすたね）が比叡山で出家して寂心（じゃくしん）と名乗り、正暦年間（990年〜995年）に七堂伽藍を整備しています。

NHK朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』ロケ地

中世には播磨天台六山（円教寺、随願寺、八葉寺、普光寺、一乗寺、神積寺）のひとつとして繁栄。
寂心は、書写山円教寺を創建した性空（しょうくう）と親交があり、寂心上人が皮膚病を煩っていたため、性空上人から薬釜（湯釜）を贈られたと伝わっています。
現在その湯釜は奥之院に安置されています。

姫路藩主・池田氏の尊崇もあり、往時には山上五院十三房を有して繁栄しましたが、現在は八葉寺と塔頭・妙勝院だけになり、日本の山寺らしい「侘寂」（わびさび）の空間となっています。

毎年1月7日は『修正会鬼会式』で『鬼追いの儀』も執り行なわれ、戦いの神である毘沙門天の化身・赤鬼と不動明王の化身・青鬼が登場（播磨路で一番早い鬼会式）。
息災延命、万民快楽、五穀豊穣を祈願して踊り、松明を掲げながら本堂を巡り、悪霊を取り払います。

平成25年放送、NHK朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』のクランクインの地にもなっていますが、「侘寂」（わびさび）の雰囲気がドラマのテーマにぴったりだったことからロケ地となったもの。