姫路城の菱の門を入ったところにある四角い堀が三国堀(さんごくぼり)。ここで登城道は左手へ「いの門」へと続く二の丸本道と、右手の「るの門」へと導く間道の二手に分かれますが、その要所をおさえる重要な位置に築かれた堀です。水確保という目的もあったでしょうが、戦略的な意味合いも有していました。
姫路城に仕掛けられた最初のトリックを見破ろう!
初代姫路藩主となった池田輝政(いけだてるまさ)が、姫路城を大修築する際に、播磨国(はりまのくに=兵庫県西部)と近隣の淡路国(あわじのくに=淡路島)、備前国備前国(びぜんのくに=岡山県東部)の3国から人夫を集めて築いたことが三国堀という名の由来。
姫山(本丸)と鷺山(西の丸)の谷部にあたり、自然の地形を活かして堀としたのもです。
城郭建築でいう「捨堀」(独立した堀)で、敵の動きを分断し、食い止めるのが主な目的となる堀です。
敵軍が姫路城を攻城する際、首尾よく菱の門を突破した敵兵は、城内に入った途端に、この堀を前にして道が二手に分かれるという不思議な景観を目にして戸惑うはず。
「るの門」(埋門)へと導く、右のルート(間道)は一見すると行き止まりで、瞬時の判断だと、左側をまっすぐ進む大手道の「いの門」へと進軍しますが、城を守る側は「るの門」に隠した部隊を出して、背後から敵を突くという作戦をとることができます。
さらに重い鎧兜(よろいかぶと)に身を包んだ武将に対しては、堀の中に突き落とすという作戦もあったと推測できます。
今は、天守群を眺める美しい三国堀の眺めですが、うっとりと眺める前に、ぜひ、姫路城に仕掛けられたのトリックをご確認ください。
姫路城・三国堀 | |
名称 | 姫路城・三国堀/ひめじじょう・さんごくぼり Sangoku-Bori(The Three Country Moat), Himeji Castle |
所在地 | 兵庫県姫路市本町68 |
関連HP | 姫路城公式ホームページ |
電車・バスで | JR・山陽電鉄姫路駅から徒歩15分 |
ドライブで | 山陽自動車道山陽姫路東ICから約6km |
駐車場 | 市営大手門駐車場(600台/有料)、市営姫山駐車場(250台/有料)、市営城の北駐車場(150台/有料) |
問い合わせ | 姫路城管理事務所 TEL:079-285-1146/FAX:079-222-6050 |
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