氷室神社(夢野弁天)・氷室旧跡

氷室神社(夢野弁天)・氷室旧跡

兵庫県神戸市兵庫区氷室町に鎮座する古社、氷室神社。『日本書紀』仁徳天皇62年の夏の条に額田大中彦皇子(ぬかたのおおなかつひこのみこ)が闘鶏野(つげの)で氷室を発見したと記され、氷室神社境内の氷室旧跡だと推測されています。平清盛勧請の「兵庫津七弁天」(兵庫七弁天)の夢野弁天。

古代、この地の氷室から氷が宮中に献上

平清盛が福原遷都の際、安芸・宮島から市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を勧請、神仏習合時代には弁才天として祀られていました。
福原京の周囲には、日宋貿易の拠点となった大輪田泊の守護として、7ヶ所(花隈弁天=花隈厳島神社、佐比江弁天、夢野弁天、西宮内弁天、真野弁天、外弁天=厳島神社)に宗像三女神(市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命)の分霊を勧請し、「兵庫津七弁天」(兵庫七弁天)と呼ばれていますが、夢野弁天がこの氷室神社です。

平教盛(たいらののりもり=平清盛の異母弟)が福原新都建設中、この地に別邸を建て、治承3年(1179年)、治承三年の政変で平清盛が後白河院の院政を停止後、以仁王の挙兵(もちひとおうのきょへい=国道脇の平家打倒のための挙兵計画)もあり、後白河法皇を幽閉しています(富士川の戦いでの大敗で福原遷都を断念し、京に戻っています)。

祭神のひとつが縁結びの神・福の神として名高い大国主神(おおくにぬしのかみ)で、市杵島比売命が恋愛弁天とされることから、現在、本殿前に「愛のポスト」が設置され、恋愛のパワースポットとしても喧伝(けんでん)されています。
願い事を書いた「愛の手紙」を本殿前の「愛のポスト」に納めると願いが叶うといわれ、全国各地から参拝者が訪れています。

ちなみに、『延喜主水式』に、山城に6ヶ所、大和・河内・近江・丹波にそれぞれ1ヶ所を設けたと記される氷室(洞窟などを利用した氷の製造・安置所)ですが、大阪府高槻市氷室町の闘鶏野神社、奈良県天理市福住町の氷室神社などもその候補地となっています。

氷室神社(夢野弁天)・氷室旧跡
名称 氷室神社(夢野弁天)・氷室旧跡/ひむろじんじゃ(ゆめのべんてん)・ひむろきゅうせき
所在地 神戸市兵庫区氷室町2-15-1
関連HP 氷室神社 神戸夢野 公式ホームページ
電車・バスで JR・阪神・阪急三宮駅から市バス神戸駅前行きで石井町下車、徒歩5分
駐車場 なし
問い合わせ 氷室神社 TEL:078-531-2833
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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