東海道新幹線の「のぞみ」よりも「ひかり」の方が停車駅が多い分、所要時間がかかります。そのため指定席特急料金も東京〜名古屋で210円、東京〜京都で320円安くなっています。京都駅のホームで見ていると「ひかり」に乗る外国人観光客が多く感じますが、それには理由があったのです。
「ひかり」に訪日外国人観光客が多いのはパスのせい
訪日外国人旅行者が、JRを使って旅する際に利用するのが「JAPAN RAIL PASS」(ジャパン・レール・パス)。
JRグループ6社が共同して提供するパスで、日本中を鉄道で旅行するのに適したお得で便利なきっぷですが、実は通常のパスでは速達タイプである「のぞみ」と「みずほ」の利用はできないという制限があるのです(自由席を含む)。
「のぞみ」と「みずほ」を利用する場合には、「JAPAN RAIL PASS」専用「のぞみ・みずほ利用券」を乗車前に別途購入し、「JAPAN RAIL PASS」と同時に使用する場合に限り、乗車できるシステムになっているのです。
そのため、少しリッチで、スピーディに移動したい人以外は、「ひかり」利用となるので、東京駅でも、京都駅でも「ひかり」には訪日外国人が多いということに。
大きなトランクを勝手に「特大荷物スペース」(事前予約で予約者に限って利用可能)に置いたり、自身の席でない指定席に陣取ったりする問題が発生していますが、確率的には「ひかり」が多い可能性が大というわけです。
また、「ひかり」では、訪日外国人観光客が大人数のグループでの乗車が重なると棚が荷物で埋まることがあり、品川で乗ったら荷物棚がすでにない状態だったなんてこともあるのです。
JR東海では、「譲り合って利用をしてほしい」と呼びかけていますが、デッキに荷物が置かれて通行の妨(さまた)げになっているのを目にすることも。
東京〜名古屋なら10分程度の違いで210円、東京〜京都なら20分ほどの違いで320円と飲み物代が浮くので、知っている人は「ひかり」を選ぶ人もいますが、訪日外国人観光客が多いことを念頭に置く必要があります(通常はほとんど問題なく利用できます)。
「ひかり」は停車駅、停車時間などの関係で、かなり時間に差があるので、利用する際には時刻表でしっかりとチェックすることをおすすめします。
実は「ひかり」の方が「のぞみ」より外国人が多い!? | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |