新幹線の開通で並行する在来線の廃止を避け、さらにローカル線の維持を目的に全国各地に誕生する第3セクター方式の鉄道。地元自治体出資という3セクの性格上、基本的には県を大きくまたぐことはありません。そんななかで、肥薩おれんじ鉄道は、鹿児島県と熊本県の2県をまたいで走るユニークな3セク鉄道会社です。
新幹線開業による在来線3セク移管では珍しい県境またぎ

北陸新幹線開業で並行する北陸本線は、3セク4社に分割されています。
新潟県内は、えちごトキめき鉄道(直江津駅~市振駅)、富山県があいの風とやま鉄道(市振駅~倶利伽羅駅)石川県がIRいしかわ鉄道(倶利伽羅駅~金沢駅~大聖寺駅)、福井県がハピラインふくい(大聖寺駅~敦賀駅)。長野県内の旧信越本線を3セク化したしなの鉄道(軽井沢駅〜篠ノ井駅、長野駅〜妙高高原駅)を入れると、北陸新幹線沿いに5社もの3セク会社が、県内を担当して走っていることになります。
これは、東北新幹線も同様で、岩手県内がIGRいわて銀河鉄道(盛岡駅~目時駅)、青森県内が青い森鉄道(目時駅~八戸駅)といった具合。
赤字ローカル線の3セク転換も同様で、三陸鉄道は岩手県内、秋田内陸縦貫鉄道は秋田県内と言った具合。
例外的なのは、足尾線を引き継いだわたらせ渓谷鐵道が、群馬県・栃木県をまたぎ、株主も群馬県、みどり市、桐生市、日光市と群馬栃木両県の自治体が仲良く株主になっています。
北近畿タンゴ鉄道も京都府と兵庫県にまたがっていますが、以上はいずれも赤字ローカル線の3セク転換。
新幹線の開業による並走在来線の3セク転換では、これまで県をまたがないのが通例でしたが、初のケースとなるのが肥薩おれんじ鉄道。
九州新幹線新八代駅〜鹿児島中央駅間の開業に伴い、鹿児島本線八代駅〜川内駅間(116.9km)が九州旅客鉄道(JR九州)から経営移管され誕生。
筆頭株主は熊本県と鹿児島県でともに39.8%を保有。
貨物輸送があることから日本貨物鉄道6.4%、そして沿線自治体の八代市3.9%、薩摩川内市3.3%と言った具合です。
県をまたいで走るユニークな新幹線並走3セク鉄道は、九州に! | |
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