広島県呉市昭和町、自衛隊の潜水艦を眺めるアレイからすこじま地区にあるレンガ造り倉庫群が、昭和町れんが倉庫群。明治30年代に建てられた旧呉海軍工廠赤レンガ倉庫群(きゅうくれかいぐんこうしょうあかれんがそうこぐん)で、海軍工廠に付帯する製品置場や大砲庫などに使われた建物です。
呉海軍工廠の歴史を今に伝える赤レンガ倉庫群
日露戦争(明治37年2月開戦)の直前に、明治30年に呉海軍工廠と改称、国内最大の軍艦建造施設となり、呉で初となる軍艦「宮古」が進水します。
明治44年、造船船渠(軍艦を建造するドック)が完成、昭和15年8月8日には戦艦「大和」も進水式が行なわれています。
日清戦争時、横須賀は戦場から遠く、佐世保は拡充が不十分ということで、日露戦争に向けて、呉軍港の拡充が行なわれ、後には大艦巨砲主義時代の拠点として日本独自の設計による初の超弩級戦艦「扶桑」(ふそう)、さらに「長門」、「大和」を造船しています。
アメリカ軍は戦後の接収を考慮して造船所部分の空爆を避けたともいわれ(実際には空襲により一部の建物が損壊)、今でも美しい倉庫群が現存。
倉庫群は、呉貿倉庫運輸の倉庫や一般のオフィス、一部がカフェとして使われていますが、空襲により建築当時よりも奥行きが短くなっています。
「澎湃館」(ほうはいかん)は、明治33年に海軍が築いた赤レンガ倉庫で、魚雷の保管、電気整備に使用されていたものをショップ&カフェとして再生したもので、アレイからすこじま探勝時の休憩スポットに絶好(営業日に注意が必要です)。
レンガはイギリス積みです。
「港町珈琲店」は赤レンガ倉庫の2階にあるカフェで(1階はコンビニ)、窓際の席からは潜水艦を眺めることができます。
昭和町れんが倉庫群 呉貿倉庫運輸(株)8号倉庫ほか(旧呉海軍工廠造兵部大砲庫など)として、日本遺産「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴 ~日本近代化の躍動を体感できるまち~」の構成資産にもなっています。
昭和町れんが倉庫群(旧呉海軍工廠赤レンガ倉庫群) | |
名称 | 昭和町れんが倉庫群(旧呉海軍工廠赤レンガ倉庫群)/しょうわまちれんがそうこぐん(きゅうくれかいぐんこうしょうあかれんがそうこぐん) |
所在地 | 広島県呉市昭和町 |
関連HP | 呉市公式ホームページ |
電車・バスで | JR呉駅から呉市営バス昭和通経由鍋桟橋行きで10分、潜水隊前下車、すぐ |
ドライブで | 広島呉道路呉ICから約4km |
駐車場 | アレイからすこじま駐車場(28台/無料)を利用 |
問い合わせ | 呉市観光振興課 TEL:0823-25-3309 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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