北海道帯広市、昭和8年創業という帯広駅前の老舗豚丼専門店が、元祖豚丼のぱんちょう。炭火でじっくりと焼き上げられた道産豚のロース肉は、甘辛い秘伝のたれがほどよくマッチし、柔らかく仕上げられています。十勝名物の豚丼の元祖といえる店なので、昼時には行列ができるので覚悟の上で。
昭和8年に考案の豚丼は今や十勝の名物に
亜寒帯湿潤気候で東ヨーロッパにも気候、風土が似ているといわれる十勝。
意外にも帯広には洋食が根付かず洋食レストランが今も少ないのだとか。
そんななかで、食堂が生き残りをかけて生み出したのが今や十勝名物の代表格といえる豚丼です。
帯広町が市制施行で帯広市になったのが昭和8年。
昭和8年1月10日、函館出身、東京で洋食の修業を積み、伯父の住む帯広に大衆食堂「ぱんちょう」を出店したのが、創業者の阿部秀司さん。
当時の帯広は、カフェ全盛期で、阿部秀司さんも「嬉し野」でコックをしていました。
「ぱんちょう」は、中国語で「飯や」を意味する言葉で、当時十勝で最大の繁栄を示していた北海道製糖の重役の命名でした。
中札内の川で趣味の釣りをしていたとき、農家で飼育される豚を見かけて、閃いたのが豚肉を使った十勝ならではの料理。
当時の豚肉料理といえば鍋かすき焼き。
鰻丼をヒントに醤油ベースのタレを開発、「うなぎ丼よりうまい当店自慢の豚丼を召し上がれ」と看板を出して豚丼をメニューに取り入れたのが豚丼の始まり。
ほかの食堂との差別化を図るために昭和30年に豚丼専門店となったのです。
タレの味も、作り方も、創業当時とまったく同じ。
ぱんちょうにはまさに豚丼の歴史が息づいています。
豚丼は肉の枚数の違いで、松、竹、梅、華までありますが、もっとも豪華な華は、はちきれんばかりの豚肉で、ご飯が見えないほどのボリューム。
松より梅が高いのは創業者・阿部秀司さんの奥さん・阿部ウメさんにちなんで。
7人の子供を育てながら店を守ったウメさんを労ってのことなのだとか。
クレジットカード使用不可なのでご注意を。
梅、竹、松はテイクアウトも可能。
かつては本州からの旅人は「とんどん」などと注文する人もいたそうですが、今や全国区の豚丼。
そのルーツが、この店です。
ちなみに、物産展への出店や支店の展開がないのは、「自分自身のできる範囲で商売をやりなさい」という創業者・阿部秀司さんの教えを頑なに守っているから。
豚丼のルーツ! 元祖豚丼のぱんちょう | |
名称 | 元祖豚丼のぱんちょう |
所在地 | 北海道帯広市西1条南11-19 |
関連HP | 帯広観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR帯広駅から徒歩2分 |
ドライブで | とかち帯広空港から約25km |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 元祖豚丼のぱんちょう TEL:0155-22-1974 |
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