関東の混浴風呂を代表する秘湯が、「法師温泉長寿館」

法師温泉

群馬県利根郡みなかみ町、新潟県側の越後湯沢を結ぶ三国街道(国道17号) 沿いにあるのが「法師温泉長寿館」。明治時代の面影を残す大浴場「法師乃湯」は、関東の混浴風呂を代表する湯船。昭和56年、国鉄の「フルムーン夫婦グリーンパス」のCMで上原謙と高峰三枝子が浸かって以降、全国的に有名に。

湯浴み着NGですが、女性専用タイムも用意

法師温泉
混浴大浴場「法師乃湯」

国鉄のデスティネーションキャンペーン『ほのぼの群馬』が昭和56年7月〜行なわれたこともあって、「フルムーン夫婦グリーンパス」の撮影は、上原謙、高峰三枝子を使って、当時はまだまだ無名の存在だった「法師温泉長寿館」(旧・群馬県利根郡新治村)の混浴大浴場「法師乃湯」で行なわれました。

B全ポスターが全国の駅に掲出され、往年の大スターが入浴ということで注目を浴び、その後「法師温泉長寿館」は一躍全国区に。

江戸時代からの入浴の記録が残されていますが、宿の創業は明治8年。
明治28年築の混浴大浴場「法師乃湯」は、レトロな建物だけでなく、一面に玉石が敷き詰められた浴槽の底、玉石の隙間から温泉が自然湧出するという源泉かけ流しで、温泉ツウにも絶大な人気を誇っているのです。
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉の源泉が、41.5度という入浴にピッタリの状況で湯船の底から湧き出すという、まさにこれぞ天恵といった感じの温泉です。

温泉達人の飯出敏夫さんも「日本を代表する秘湯の宿」、「タイムスリップしたかのような異次元の空気感に包まれるのは秋田県・鶴の湯温泉と双璧」と解説しています。

全国探しても、雰囲気、温泉の質、湧出状況、管理状態がこれほどまでに揃った温泉宿は少なく、それゆえに飯出敏夫さんも「日本を代表する秘湯の宿」と太鼓判を押すのです。

初体験の人は少し驚きますが、常連の人のなかには脱衣所を利用せず、浴槽の周りの箱を脱衣場として使っていてこれが「法師温泉流」と称されるもの。
しかも湯浴み着もバスタオルを巻くのも不可という昔ながらの入浴法のため、女性にはハードルが高いのですが(入浴と同時に視線を感じることになります)、これが昔ながらの伝統ということに。
混浴は無理という女性は、20:00〜22:00の間が女性専用タイムが用意されています(男性専用タイムはありません)。

昭和初期、文化人の避暑地的な様相を呈して、与謝野鉄幹、与謝野晶子、若山牧水( 『みなかみ紀行』に法師温泉での歌会が登場)、川端康成、河東碧悟洞(かわひがしへきごとう)、直木三十五(なおきさんじゅうご)などの文人墨客にも愛された歴史を有し、山奥の一軒宿という風情もあって、入口には「日本秘湯を守る会」の提灯が下がっています。

「法師乃湯」(明治28年築)、宿泊棟で創業時の建物である本館(明治8年築/6部屋)、別館(昭和15年築/10部屋)の3棟が国の登録有形文化財に指定されています。

足元湧出泉の混浴「法師乃湯」と女湯「長寿乃湯」には外来入浴も可能です(年末年始と水曜休)。
時間帯も昼前後に限られるので、地粉うどん定食など、昼食とセットでのプランがおすすめです。

宿泊はゆったりとした造りの「薫山荘」、「法隆殿」などもあって、好みと予算に合わせて選択できます。

法師温泉
館内に掲示されるフルムーンキャンペーン(昭和56年)のポスター
関東の混浴風呂を代表する秘湯が、「法師温泉長寿館」
名称 法師温泉長寿館/ほうしおんせんちょうじゅかん
所在地 群馬県利根郡みなかみ町永井650
関連HP 法師温泉長寿館公式ホームページ
電車・バスで JR上毛高原駅から関東バスで35分、猿ヶ京経由関所跡へ、町営バスに乗り換えて20分、法師下車、徒歩1分
ドライブで 関越自動車道月夜野ICから約25km、湯沢ICから約37km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 法師温泉長寿館 TEL:0278-66-0005/FAX:0278-66-0003
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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