福島県相馬市・伊達市の境にそびえる標高825mの山が、霊山(りょうぜん)。福島県選定の「ふくしま30座」の一座で、手頃な山旅が楽しめることから、東北でも屈指の人気を誇っています。その名の通り、修験道の霊山(れいざん)としての歴史を有し、太平洋を望む大パノラマを得ることができます。
東北山岳仏教の聖地となった霊山を登拝
玄武岩の溶岩台地で、奇岩怪石がそびえる様から、古くは修験道で栄えた歴史を有しています。
貞観元年(859年)、円仁(慈覚大師)が開山という伝承もあり、円仁が霊山寺を創建したことで東北山岳仏教の聖地となったとされています。
往時には3000ともいわれる堂塔と僧坊が並び、天台宗の東北の拠点として「北の比叡山」とも称されました。
西側が絶壁となり福島市内や遠く吾妻連峰などを眺める絶景スポットの護摩壇は、オーバーハング状に岩が迫り出した場所で、雨露をしのいで護摩行を行なった跡だと推測できます。
南北朝時代の延元2年・建武4年(1337年)には、北畠顕家(きたばたけあきいえ)が山上の霊山城(西物見石周辺が中世の城跡)を拠点としとして京を目指して進軍しています(霊山の山頂付近に国司館を設置、国衙機能をここに移して北朝勢力に対抗)。
貞和3年(1347年)に落城し、山中の堂塔や僧坊も失われています。
慈覚大師作と伝わる両界曼荼羅や薬師如来像(秘仏)を蔵する霊山寺は、山麓の伊達市霊山町で法灯を継承、寛永17年(1641年)に寛永寺末寺として復興したものです。
例年4月29日に山開きが行なわれ、ハイキングにおすすめのシーズンは、4月~6月中旬と10月~11月。
4月下旬の山桜、5月上旬のツツジ、5月中旬の新緑、そして10月下旬~11月上旬の紅葉などを目的に登山を。
低山ですが例年、12月中旬〜3月下旬は雪に閉ざされ、冬山登山となります。
登山口に近い「りょうぜんこどもの村」にはキャンプ場、木造りで設備充実のコテージなど宿泊施設もあり、ファミリーの登山基地にも絶好。
また「りょうぜん紅彩館」では宿泊のほか、日帰り入浴、外来利用可能のレストランもあり、利用可能。
霊山登山 コースタイム
霊山登山口駐車場(「りょうぜんこどもの村」北側)〜(徒歩20分)〜日暮岩入口 〜(徒歩20分)〜護摩壇〜(徒歩15分)〜西物見石・霊山城跡〜(徒歩15分)〜蟻ノ戸渡り 〜(徒歩30分)〜日暮岩入口〜(徒歩20分)〜霊山登山口駐車場
霊山 | |
名称 | 霊山/りょうぜん |
所在地 | 福島県伊達市霊山町石田釜ケ平・相馬市玉野 |
関連HP | 伊達市公式ホームページ |
ドライブで | 東北中央自動車道霊山新舘ICから約3kmで霊山登山口駐車場 |
駐車場 | 霊山登山口駐車場を利用 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag