荒島岳

荒島岳

福井県大野市にそびえる荒島岳(標高1523.4m)は、1500m峰ながら福井県内では唯一、深田久弥の『日本百名山』に選定の山で「大野富士」とも呼ばれる名峰。『延喜式』には「阿羅志摩我多気(あらしまがたけ)」と表記され、大和朝廷で重責を担った物部氏の祖霊・物部荒山を祀る荒島神社の神域。山頂からの好展望でも知られています。

福井県で唯一の『日本百名山』に選定の山

荒島岳

白山を開いた泰澄の開山伝承も残る荒島岳は、大野盆地の南東にそびえる独立峰。
山頂には、神仏習合時代の荒島山大権現(荒山大権現/現・荒島神社)が祀られています。

荒島岳に登る人が一番多く利用するのが、勝原(かどはら)スキー場跡を起点とする勝原コース。
標高約340mの登山口から急斜面の旧スキー場を登るコースで山頂までは所要3時間30分。
樹齢200~300年という見事なブナが出迎えてくれますが近年、登山者によるブナの根の踏みつけが問題視されています。

『日本百名山』選定の深田久弥氏も登った中出(なかんで)コースは、中出集落(大野市蕨生)が登山口で所要3時間40分。
このほか、荒島養魚場(大野市佐開)からの佐開(さびらき)コース(所要3時間30分)、下山池ヶ嶋地区(大野市下山)からの新しもやまコース(所要4時間40分/健脚向き)があります。

山頂からは360度の大パノラマが展開し、白山はもちろん、槍・穂高連峰、乗鞍岳、御嶽山などを眺望するほか、晴れていれば南アルプス南部、恵那山、鈴鹿山脈の御在所岳、御池岳(おいけだけ)まで遠望できます。

荒島岳は、2000万年前の巨大カルデラ火山(摩周カルデラと同程度)が深く侵食された残骸(荒島岳コールドロン)。
荒島岳と古代の物部氏は、荒島岳周辺の貴重な地下資源の鉱山開発に関連するとも推測できます。
8世紀頃、白山信仰の勃興とともに、荒島岳、飯降山(いふりやま)の山岳信仰が生まれ、中世、近世に隆盛しています。
また、大野盆地には奥美濃(岐阜県)から越国に抜ける美濃街道の古道が抜けていますが、これが荒島岳の北側にある現在の国道158号、そしてJR越美北線です。

荒島岳
名称 荒島岳/あらしまだけ
所在地 福井県大野市仏原
関連HP 大野市公式ホームページ
電車・バスで JR勝原駅から徒歩15分で旧勝原スキー場、勝原コースの登山口
ドライブで 北陸自動車道福井ICから約37kmで旧勝原スキー場駐車場
駐車場 旧勝原スキー場駐車場(50台/無料)を利用
問い合わせ 商工観光振興課 TEL:0779-66-1111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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