「愛知国際アリーナ(IGアリーナ)」の開業で、『名古屋飛ばし』が解消!?

愛知県名古屋市の名城公園に完成した「愛知国際アリーナ(IGアリーナ)」。1万7000人収容の巨大アリーナで、2025年7月13日(日)に幕を開ける『大相撲名古屋場所』がこけら落としに。このアリーナの完成で、注目されるのが、名古屋人や中京圏に住む人が嘆く『名古屋飛ばし』が解消するかどうかの点です。

これでホントに『Nagoya skip』が解消される!?

『大相撲名古屋場所』はもちろん、2026年秋に予定される『第20回アジア競技大会』・『第5回アジアパラ競技大会』の競技会場になることも決まっています。
プロバスケットボールBリーグ1部の名古屋ダイヤモンドドルフィンズの本拠地になるほか、12月にはフィギュアスケートの『グランプリファイナル』の会場にもなっています。

しかし名古屋人や中京圏に住む人にとって注目する点は、エンターテインメントでの活用。
「愛知国際アリーナ(IGアリーナ)」の公式発表では、来年6月までの1年間で、コンサートなど含め100公演が予定され、200万人の来場者を目標としていますが、果たして『名古屋飛ばし』は解消するのでしょうか。

この『名古屋飛ばし』は、「大きなイベント、コンサートの開催、列車などが名古屋を飛ばして、スルーすること」を意味する自虐的な言葉。
きっかけは、1987年、日本の各地で、マドンナとマイケル・ジャクソンが初めて来日コンサートを行なったときのこと。
マドンナは大阪空港に降り立ち、大阪で2回の公演を終え、京都に寄り道した後、東京・後楽園球場で3公演(うち1回は荒天で中止)。
来日公演は総計11万人を動員しましたが、名古屋での公演はありませんでした。

マイケル・ジャクソンは、『バッド・ワールド・ツアー』で1987年に来日。
東京・大阪・横浜で計14回の公演を行ない、40万人以上の観客を動員していますが、やはり名古屋はスルー。

1992年には東海道新幹線に速達タイプの「のぞみ」がデビューしていますが、東京始発下りの一番列車「のぞみ301号」は名古屋駅を通過。
1987年に誕生し、名古屋に本社を置くJR東海が、地元を通過させるという「快挙」で、速達化を図ったことは、名古屋人にとっては心の傷となる大問題(名古屋通過のダイヤは、1997年に廃止)。

1987年と1992年、『名古屋飛ばし』が大きな話題となったのです。
名古屋人に話を聞けば「美術展、博物館の展示なども、東京の次は京都ということが多く、コンサートだけではない」とのこと。

行政や関係者はは、「ハコがなかったことがコンサートが飛ばされた最大の理由」としていますが、はたして「愛知国際アリーナ(IGアリーナ)」の開業で、『名古屋飛ばし』が解消するのでしょうか。
乞うご期待といった感じです。

ちなみに美術展や博物館の展示は、国立博物館などが名古屋にはないこともあって、当面、『名古屋飛ばし』が解消される見込みはありません。
名古屋人は、辛口評価の気質から「名古屋は、文化不毛の地だがね」と自虐的に語りますが、少なくとも器が整ったことで興行的なものは、飛ばされなくなるはずです。

「愛知国際アリーナ(IGアリーナ)」の開業で、『名古屋飛ばし』が解消!?
所在地 愛知県名古屋市北区名城1-4-1
場所 愛知国際アリーナ(IGアリーナ)
関連HP 愛知国際アリーナ(IGアリーナ)公式ホームページ
電車・バスで 名古屋市営地下鉄名城公園駅から徒歩すぐ、浄心駅から徒歩18分
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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