今ではJRグループで、急行列車は絶滅危惧種、定期列車としては絶滅しています。年配の人なら急行列車に乗った経験のある人も多いかと思いますが、鉄道全盛時代に庶民の足を支えたのは、急行券で乗車できた急行列車です。そんな急行列車なかに、鉄道ファンから「遜色急行」(そんしょくきゅうこう)と呼ばれた車両があります。
急行なのに3ドアの通勤型車両が走っていた!

なぜ遜色なのかといえば、通常の急行列車に使用する車両(急行形車両)ではなく、各駅停車に使っている車両が堂々と急行を名乗り、有料列車だったから。
なぜそんなことが生まれたのかといえば、急行の増発などで、急行形車両が不足、あるいはやりくりができないことがあったためです。
現在では信じられないような鉄道全盛時の苦肉の策で、2ドア、ボックス席の急行車両を期待していたら、なんと、いつもの普通列車と同じ車両で、少し駅を停まらないだけで、急行券をしっかりととられたという話です。
165系電車、455系電車、キハ58系気動車、キハ56系気動車などが急行形車両の典型です。
北海道では、急行形車両が北海道の気候に対応した耐寒耐雪装備を備えたキハ56系しかなかったため、急行の増発で普通列車に使われるキハ22系(車端部がロングシート)なども急行に使われていました。
この場合も「遜色急行」といえるかもしれませんが、設備的にはかなり急行に近いものがありました。
急行列車の中には、北海道でいえば「しれとこ」、「くなしり」、「らうす」(釧網本線・標津線)に代表されるような、もともと準急が名前だけ急行に格上げされたケースも多く、急行に格上げ後も車両は同じだったため、「遜色急行」を生みました。
関東でも、富士急行線に直通する急行「かわぐち」、甲府への「かいじ」は、横須賀線、中央本線の普通列車と同じ115系電車を使うことがあり、確実に「遜色急行」といえる存在でした(急行券不要の快速でもいいレベルです)。
遜色車両とはいうものの、設計段階では優等列車にも使用されることを想定していた形式もあるので、「遜色急行」という定義はあいまい。
あくまで、「急行だと思ったら」、「この車両で急行券が必要?」という乗り手の感覚の問題でした。
いすみ鉄道で令和7年に運転を終了したキハ52 125は、急行「夷隅」などのヘッドマークを付けて運用され、人気を集めましたが、国鉄時代でいえば「遜色急行」の仲間ということに。
TOPの画像/「岡山デスティネーションキャンペーン」で、リバイバル「鷲羽」の復活運転時のもの、車両的には往時の2ドア急行形でなく、遜色急行ということに

| 「遜色急行」って何!? | |
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