名鉄が運営した日本初の跨座式モノレール「犬山モノレール」とは!?

犬山モノレール

愛知県の最北端に位置する、犬山市。国宝・犬山城とレトロな城下町の人気で訪日外国人観光客は過去5年で2倍。伸び率国内随一ともいわれていますが、その犬山市に、「犬山モノレール」跡があります。それが名鉄モンキーパークモノレール線動物園駅跡で、実は日本初となる跨座式モノレール。まさに東京モノレールの実験線です。

「犬山モノレール」の経験を活かして、東京モノレール誕生!

この「犬山モノレール」は、高度成長期の昭和37年3月21日、名鉄が犬山線・犬山遊園駅と動物園駅(犬山ラインパーク)を結んで開業したもの。
昭和55年1月、犬山ラインパークから日本モンキーパークへの名称変更に伴い、路線名をモンキーパークモノレール線に改称、日本モンキーパーク、成田山名古屋別院大聖寺(犬山成田山)への足として活躍しました。

その後、利用者数の減少で、平成20年12月28日に廃止されています。

実は「犬山モノレール」は、ゴムタイヤでコンクリート製のレール上を走行する日立アルウェーグ式で、日本初となる跨座式モノレール。
この「犬山モノレール」で得た技術、経験を活かして敷設されたのが、東京モノレール(昭和39年9月17日開業)、よみうりランドモノレール(昭和39年1月1日開業、昭和58年11月30日廃止)だったのです。
そのため、名鉄も昭和40年12月までは東京モノレールに経営参加し89名の社員が出向していました。

昭和32年、上野動物園内に実験線としてモノレールが建設されましたが、これは東京都が独自開発の懸垂型。
名鉄が犬山で採用した日立アルウェーグ式は、ドイツのアルウェ―グ(ALWEG)社の技術を活用し、日立製作所が手掛けたもの。
昭和36年、イタリアで開催された『トリノ国際博覧会』 に視察チームを送った名鉄は、そこで運行されたトリノ国際労働博覧会モノレールに目をつけます。
名鉄は犬山自然公園における大規模な開発を計画していましたが、犬山遊園駅との間の丘陵が邪魔をして輸送手段に頭を悩ませていたのです。

そこで注目したのがデモ走行したアルウェ―グ(ALWEG)社のモノレールで、日立製作所と手を組んで、犬山に導入したのです。
この犬山モノレールの経験は、東京モノレールの敷設に大いに役立ち、東京モノレールの成功によるその後のモノレールの発展の基礎を築いたともいえます。

国内最初の地方鉄道法による実用モノレール路線だったラインパークモノレール線の遺構は、動物園駅跡地にMRM100形モノレール車両が静態保存されるのみで、橋脚などは失われています。
動物園駅にはホームなども残され、往時の雰囲気を味わうことができます。

名鉄が運営した日本初の跨座式モノレール「犬山モノレール」とは!?
所在地 愛知県犬山市犬山官林26
電車・バスで 名鉄犬山遊園駅から徒歩30分
ドライブで 名神高速道路小牧ICから約12km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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