岩手県盛岡市にあるレンガ造りの銀行建築が岩手銀行赤レンガ館。東京駅の設計で知られる辰野金吾(たつのきんご)とコンビを組んだ岩手出身の葛西萬司(かさいまんじ)が設計を担当した赤レンガの建物で、平成24年まで実際に銀行として使用されていました。明治44年築の建物は国の重要文化財に指定されています。
赤レンガの銀行建築は国の重要文化財
盛岡中心部のシンボル的な存在で、ルネッサンス様式を基調にした赤レンガタイル張りの中に白い花崗岩の帯があるお洒落な雰囲気はいかにも辰野式。
建物が建つ十字路は「札の辻」(ふだのつじ)と呼ばれ、藩政時代にお触れの高札や藩の布告を掲示する御札所があった場所です。
前身の盛岡銀行(明治29年設立)本店時代から昭和58年まで岩手銀の本店として、その後は中ノ橋支店として活用されていましたが、平成24年8月6日、隣接する新店舗への移転に伴い閉鎖され、平成28年7月17日、岩手銀行赤レンガ館として再生されています。
宮澤賢治も、当時の最先端建築であるこの銀行建築が気に入っていたようで『岩手公園』という詩に、「弧光燈( アークライト )にめくるめき 羽虫の群のあつまりつ 川と銀行木のみどり まちはしづかにたそがるる」と記しています。
盛岡市には明治38年に電気が通り、川や橋、岩手公園(盛岡城跡)にはアーク灯(電気を炭素棒の先端から放電させて明かりを生み出す放電灯)が灯ったのです。
宮澤賢治の出身地、花巻にはまだ電気が通じていなかったので、夜も明るく銀行を照らすアーチ灯に、時代の最先端を感じたことでしょう。
現在、中ノ橋周辺、岩手公園には当時のアーク灯を模した街灯(電灯)が設置されています。
画像協力/岩手県観光協会
岩手銀行赤レンガ館 | |
名称 | 岩手銀行赤レンガ館/いわてぎんこうあかれんがかん |
所在地 | 岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20 |
関連HP | 岩手銀行赤レンガ館公式ホームページ |
電車・バスで | JR盛岡駅からバスで10分、盛岡バスセンターななっく前下車、徒歩1分 |
ドライブで | 東北自動車道盛岡ICから約6.5km |
駐車場 | 市営岩手公園地下駐車場(93台/有料) |
問い合わせ | 岩手銀行赤レンガ館 TEL:019-622-1236/FAX:019-622-1239 |
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