岩手県平泉町にある金鶏山(きんけいざん)は、中尊寺と毛越寺(もうつうじ)の間にある小山。標高98.6mながら中世に平安京(京都)に次ぐ人口と繁栄をみせた奥州藤原3代の拠点、平泉の都市設計の基本となった山。世界文化遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産の一つにもなっています。
平泉を鎮護する聖なる山
山裾との比高は60mほどあり、円錐形の山容は、藤原秀衡の築いた無量光院の浄土庭園の借景にも取り込まれ、庭園側から日が沈む方向に位置し、西方浄土を具現化していることに一役かっているのです。
毛越寺などは、金鶏山から南に延ばした子午線を基準として建立されているのです。
東の裾野には花立廃寺跡もあり、南麓には毛越寺の子院・千手院が建っています。
山名は、山頂に雄雌一対の金の鶏を埋めたことに因むと伝わっていますが、定かでありません。
昭和5年に伝説の金鶏を求めて盗掘された際、山上から経塚であったことを示す奥州藤原4代の時代の銅製経筒や陶器の壺、甕、鉢、平瓦などが発掘されています。
出土品は現在、東京国立博物館と千手院に保管されています。
経塚は、初代の藤原清衡(ふじわらのきよひら)から晩年の4代・藤原泰衡(ふじわらのやすひら)までの間に、最低9基は造られたことがわかっています。
松尾芭蕉は、『奥の細道』に「三代の栄耀一睡のうちにして、大門の跡は一里こなたに有り。秀衡が跡は田野に成りて、金鶏山のみ形を残す。」と記しています。
こういった印象があの名句「夏草や 兵どもが 夢の跡」を生んでいるのです。
金鶏山 | |
名称 | 金鶏山/きんけいざん |
所在地 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉花立 |
関連HP | 平泉観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR平泉駅から徒歩15分で登山口 |
ドライブで | 東北自動車道一関ICから約8.4km |
問い合わせ | 平泉観光協会 TEL:0191-46-2110/FAX:0191-46-2117 |
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