柳之御所遺跡

柳之御所遺跡

岩手県平泉町にある奥州藤原氏の政庁・平泉館(ひらいずみのたち)跡と推測されているのが柳之御所遺跡(やなぎのごしょいせき)。初代・藤原清衡(ふじわらのきよひら)が、康和元年(1099年)、江刺郡の豊田館(とよだのたち/現・奥州市江刺)から母方の安倍氏ゆかりの衣川に近い磐井郡平泉に移して居館を築いたのが始まり。

奥州藤原氏の居館跡で、出土品は国の重文

柳之御所遺跡

奥州藤原氏は、この柳之御所を拠点とし、初代・藤原清衡が中尊寺、2代・藤原基衡(ふじわらのもとひら)が毛越寺(もうつうじ)、3代・藤原秀衡(ふじわらのひでひら)が無量光院を築き、平安末期の貴族社会に隆盛した浄土思想を背景に、仏教文化を花咲かせたのです。

柳之御所からも北西に中尊寺金色堂を望むことができました(逆に金色堂は柳之御所の方角を向いて建てられています)。

平安時代末期の平泉は、平安京(京都)に次ぐ人口を誇った大都市でしたが、3代・藤原秀衡は、京の朝廷と直接結びついて源頼朝と対立し、源義経を匿(かくま)い、秀衡没後の文治5年(1189年)、源頼朝軍28万余の大軍に攻められて、4代・藤原泰衡(ひじわらのやすひら)が自ら居館に火を放ち炎上、奥州藤原氏は滅亡したのです。

柳之御所の名前は、近くの字名(あざめい)をとって後世に付けられたもの。
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には「平泉館と称した」旨の記載があります。

遺跡面積は10haという広大なもので、そのうち5haが史跡公園として整備されています。
大規模な堀(幅14m、深さ4m)も発掘され、防御を重視した造りだったこともわかっています。

過去の発掘調査で、中国製陶磁器、常滑(とこなめ/尾張国知多半島)や渥美(あつみ/三河国渥美半島)の陶器、大量の「かわらけ」(小さい素焼きの器)、文字資料を含む豊富な木製品、磐前村印(いわさきむらいん)などが出土。

平泉へは常滑焼の三筋文壺(さんきんもんこ)、甕、鉢が大量に運ばれ、常滑焼、渥美焼の平安時代後期における主要な消費地だったことが判明しています(金鶏山経塚からも渥美焼の袈裟襷文壺が出土しています)。
現在の愛知県から900kmも離れた平泉へは、船で太平洋沿いに北上し、さらに北上川の舟運を使って平泉に運搬されたと推測できます。

10トン以上という大量の「かわらけ」が出土したのは、平泉はすでに武家文化だった証し。
武士の酒席では、「かわらけ」を使い捨ての杯として使うのが習わしだったのです。

柳之御所遺跡からの出土品は、「岩手県平泉遺跡群(柳之御所遺跡)出土品」として国の重要文化財に指定されています。

名称 柳之御所遺跡/やなぎのごしょいせき
所在地 岩手県西磐井郡平泉町平泉柳御所
関連HP 平泉観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR平泉駅から徒歩10分
ドライブで 東北自動車道平泉前沢ICから約5km、一関ICから約8km。
駐車場 柳之御所資料館駐車場を利用
問い合わせ 柳之御所資料館 TEL:0191-34-1001
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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