観自在王院跡

観自在王院跡

岩手県平泉町にある史跡、観自在王院跡(かんじざいおういんあと)は、世界文化遺産「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」を構成する5資産のひとつ。毛越寺(もうつうじ)に大規模な伽藍を建立した奥州藤原氏2代・藤原基衡(ふじわらのもとひら)の妻が建立した観自在王院の跡。

極楽浄土を表現した庭園がここにあった!

観自在王院跡

毛越寺の東隣にある観自在王院の跡ですが、廃寺となった文治5年(1189年)以降は荒廃し、近世までに堂塔をすべて失い、美しい浄土庭園も水田と化していました。
昭和48年〜昭和51年に発掘調査が行なわれ、東西約120m、南北約240mという寺域の北部に大小2棟の阿弥陀堂があり、中央部に園池があったことがわかっています。
小阿弥陀堂の北に基衡夫人墓と称される墓碑も残され、5月の『春の藤原祭り』ではこの場所で、基衡の妻(『吾妻鏡』によれば安部宗任の娘)の死を弔う葬列を模した奇祭『哭き祭』(なきまつり)が行なわれています。

大阿弥陀堂には阿弥陀如来、観音、勢至菩薩の三尊を安置し、その内壁には、石清水八幡宮、賀茂の祭礼、鞍馬の様子、宇治平等院などの平安京の霊地・名所が描かれていましたが、これは京へ赴くことができなかった奥州の人々が、この地で、京の名所巡りを楽しめる仕掛け。

東西、南北とも90mで方形の舞鶴が池、池の中央南寄りの中島、池西岸に荒磯風の石組、川石の石組などが復元され、往時とは異なりますが、今は史跡公園として整備されています。
東岸には、鐘楼跡と普賢堂(ふげんどう)跡と伝えられる遺跡も。

境内跡は「毛越寺境内 附 鎮守社跡」として国の特別史跡、「旧観自在王院庭園」は数少ない平安時代の庭園遺構として国の名勝に指定されています。

観自在王院跡
名称 観自在王院跡/かんじざいおういんあと
所在地 岩手県西磐井郡平泉町平泉志羅山地内
関連HP 平泉町公式ホームページ
電車・バスで JR平泉駅から徒歩10分
ドライブで 東北自動車道一関ICから約8km
駐車場 平泉町営毛越寺駐車場(350台/有料)
問い合わせ 平泉観光協会 TEL:0191-46-2110/FAX:0191-46-2117
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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