緑帯の常磐線快速は、取手から先には進めない! 「青帯」と「緑帯」の違いは何!?

上野駅と仙台駅を結ぶ常磐線。東京近郊区間の浪江に至るまで、様々な列車が走っていて、初めて乗る人は停車駅にも戸惑ってしまいます。まずは「緑の帯」の常磐緩行線、そして「緑の帯」と「青い帯」が混在する常磐快速線、そして取手以遠へ足を伸ばす普通列車。快速と普通、そして各駅停車とちょっぴりカオスな感じです。

常磐線は、利用者でなければ、かなりカオスな状態

千代田線・小田急線に乗り入れる常磐緩行線は、「各駅停車」

明治42年に鉄道院が定めた国有鉄道線路名称で東北本線の支線扱いと定められ、351.0kmという路線距離を誇りながら、本線ではありません。
特急「ひたち」、特急「ときわ」の運転本数を考えれば、本線以上ともいえる輸送力を誇っています。

綾瀬駅〜取手駅は複々線で、代々木上原駅〜綾瀬駅を結ぶ地下鉄千代田線と相互乗り入れをする常磐緩行線。
一部の電車は千代田線を経由して小田急小田原線伊勢原駅まで直通運転されています。
この常磐緩行線は、一番わかり易い、各駅停車で緑の帯。
ただし、千代田線、小田急線と相互乗り入れを果たしているので、東京メトロ16000系、小田急電鉄4000形も走るので、「青春18きっぷで乗車できる私鉄車両」といわれることも。

歴史的には常磐線の混雑緩和のため、1971年4月20日に北千住駅〜我孫子駅間の複々線化が行なわれ、各駅停車として上野駅〜取手駅を走る列車が、常磐緩行線、常磐快速線に分離したことが始まりです。
同時に常磐緩行線の千代田線乗り入れ(山手線西日暮里駅開設)が行なわれました。
1982年には常磐緩行線が取手駅まで延伸、さらに『国際科学技術博覧会(つくば科学万博)』開催直前の1985年3月の改正で、15両編成での運転が始まりました。
日本の鉄道で、「ロングシート15両編成」というのは、この常磐緩行線だけで、そう考えるとなんとも長大な編成です(山手線は11両、京浜東北線は10両、中央線快速は12両)。

常磐快速線を走るのが特急「ひたち」、「ときわ」、上野駅〜 取手駅間で運転される常磐線快速、取手駅を越えて水戸方面に運転の中距離列車(「普通」と「特別快速」)があります。
エメラルドグリーンと黄緑の緑2色の帯(「緑帯」)の列車が常磐線快速。
「青帯」の中距離列車(グリーン車を連結)が青色の帯ということになります。

上野駅〜取手駅は中距離列車と常磐線快速は停車駅は同じ。
常磐緩行線は、各駅停車と呼び分けています。
特別快速は三河島、南千住、我孫子、天元台を通過します。
ただし、「緑帯」の快速も「青帯」の普通列車も停車駅も揃え、駅案内も「快速」で統一していますが、これは常磐緩行線の各駅停車より、普通列車が早いことからで、利用者以外にはこれもややこしい原因のひとつに。

常磐線快速はロングシート通勤タイプE231系0番代、中距離列車は、セミクロスシートやトイレといった設備、そしてグリーン車を連結する近郊タイプE531系と使い分けられています。

常磐緩行線と常磐快速線との渡り線は松戸駅・我孫子駅付近に設置されていますが、地下鉄に乗り入れる常磐緩行線とはシステムが異なるため、実際に渡り線を使って乗り入れることはできません。

「緑帯」の常磐線快速が取手止まりなのは、実は取手〜藤代間には、直流と交流の境目である「デッドセクション」(dead section=架線に給電されていない区間)があり、東京〜取手(「デッドセクション」)は直流1500V、その先は交流20000Vという大きな違いがあるのです。
「青帯」のE531系電車は、交直両流電車で、取手までの直流区間、その先の交流区間を通しで走ることができるのです。
同様に特急に使われるE657系も当然、交直両流です。

こうしてみると、常磐線がいかに複雑怪奇なのかよくわかります。

最長15両、すべてロングシートの「緑帯」・常磐線快速(一部は成田線に直通)
「青帯」・常磐線普通列車(中距離列車)は「快速」の扱い
緑帯の常磐線快速は、取手から先には進めない! 「青帯」と「緑帯」の違いは何!?
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常磐線

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