鉄道がない都市で日本一人口が多いのは沖縄県にある沖縄市ですが、沖縄県を除くと、鹿児島県の大隅半島にあります。薩摩半島の鹿児島市には九州新幹線もありますが、錦江湾(鹿児島湾)を隔てた東側の大隅半島は、意外に鉄道のない半島。鹿屋市は人口が9万6636人(令和7年8月1日現在)で、沖縄を除いて日本最大です。
昭和62年3月14日、国鉄大隅線の廃止で鉄道がない都市に
鹿児島県では鹿児島市、霧島市に次ぐ第三の大都会。
平成12年〜令和2年には10万人都市でしたが、以降は微減が続いています。
大隅半島の行政・経済・産業の中核となる都市ですが、鉄道はなく、県都鹿児島とは鹿児島中央駅ー鹿屋間直行バスで2時間ほどで結ばれています。
車の場合は、垂水港(大隅半島)〜鴨池港(薩摩半島)を結ぶ鴨池・垂水フェリーの利用が最短で、このフェリーを利用しない場合は、錦江湾(鹿児島湾)をくるりと半周して到達、あるいは桜島でフェリーを利用することになります。
鹿屋には、大正4年7月11日、南隅軽便鉄道が敷設され、昭和10年6月1日に国有化され、国鉄古江線に。
昭和24年6月4日には、昭和天皇の戦後巡幸があり、鹿屋駅〜志布志駅のお召し列車が運転されたという歴史もあります。
昭和47年9月9日、志布志駅〜国分駅間全通に伴い古江線が大隅線に改称されますが、その大隅線は昭和62年3月14日に全線廃止に。
こうして鉄道のない、駅のない都市になったのです。
鹿屋駅の跡地には鹿屋市役所が移転、つまりは市役所の場所が鹿屋駅跡ということに。
隣接した場所には鹿屋市鉄道記念館が建ち、鉄道の走った歴史を紹介しています。
鹿屋市には、日本最大規模を誇るバラ園「かのやばら園」、錦江湾を眺望する「輝北天球館」(輝北うわば公園)、四季の花咲く霧島ヶ丘公園、貴重な戦争遺跡の海軍航空隊串良基地跡(地下壕第一電信室などが現存)、千本鳥居の神徳稲荷神社、陸繋砂州(トンボロ)の荒平天神(菅原神社)など観光的にもみどころが豊富です。
鉄道がない都市(沖縄を除く)で日本最大は、意外にも鹿児島県に | |
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