授業で習った「カルスト地形」。地表に露出した石灰岩が雨水などで浸食されて誕生した地形のこと。実は、日本各地にこの石灰岩地帯はあるのですが、日本三大カルストと呼ばれる大規模な奇観は、有名な秋吉台(山口県美祢市)、四国カルスト(愛媛・高知県境の四国脊梁山脈)、そして平尾台(福岡県北九州市)。近年は、インスタ映えするとして注目を集めています。
日本最大のカルスト地形は秋吉台
スロベニア西南部からイタリア北東部にかけて、クラス地方(スロベニア語:Kras、イタリア語:Carso)あるいはカルスト地方(ドイツ語:Karst)の台地をさす言葉。
典型的な石灰岩台地から、カルスト地形という地理学用語が生まれたのです。
スロベニアにあるシュコツィアン洞窟群はユネスコの世界遺産に登録、イタリアにあるグロッタ・ジガンテは、世界最大の観光洞窟としてギネスブックに認定されています。
4万2900haという広大な面積を誇っている本場のカルスト台地ですが、「日本三大カルスト」の筆頭、秋吉台の面積は、はたして・・・。
秋吉台
美祢市の中・東部に広がる日本最大のカルスト台地で、総面積は5400ha。
本場スロベニアのカルスト台地の8分の1の面積となかなかの健闘です。
日本のカルスト地形は、赤道近くの南の海底でのサンゴ礁がプレートの移動で、長い年月かけて日本列島にやって来たというもの。
国の特別天然記念物に指定されるカルスト地形は秋吉台だけです。
秋吉台の下にある秋芳洞(あきよしどう)、景清洞、大正洞もカルスト台地を雨水や地下水が浸食して誕生した鍾乳洞です。
秋芳洞、景清洞、大正洞が秋吉台地下水系としてラムサール条約登録湿地、秋吉台と秋芳洞が日本の地質百選に選定されています。
「Mine秋吉台」として日本ジオパークにもなっています。
四国カルスト
愛媛県と高知県との県境に位置するカルスト台地。
東西が25kmと、日本最長のカルスト台地といわれています。
標高が1400m内外と日本でも高所にあるカルスト台地で、草原には牛が放牧されて、アルペン的な光景を展開しています。
東から天狗高原、五段高原、姫鶴平、大野ヶ原と続いています。
このカルスト地形を縦断するように愛媛県道・高知県道383号(四国カルスト公園縦断線)が通っており、日本一の「カルストドライブ」を楽しむことができます。
平尾台
福岡県北東部、北九州市周辺に広がるカルスト台地。
面積は1200haですが、目白洞、千仏洞、牡鹿洞、青龍窟などの鍾乳洞が点在し、ドリーネと呼ばれるカルスト台地特有の凹地、石灰岩の露岩(ピナクル)が羊の群れのように見える羊群原(ようぐんばる)という奇観を生み出しています。
北九州市の中心部から40分ほどのドライブで到達できるという、都市近郊型のカルスト地形になっており、ハイキングなどにも絶好です。
日本三大カルストってどこ!? | |
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