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『一両列車の聖地 木次線』プロジェクトが始まる!

島根県・木次線(きすきせん)利活用推進協議会が2025年7月5日(土)にスタートさせたのが、『一両列車の聖地 木次線 ~たった一両。だから、特別。~』という観光プロジェクト。「都市部から来られた方には、バスだと勘違いされることもあります」という1両編成の木次線ですがそれを逆手に取ったPR作戦です。

JR西日本では唯一の3段スイッチバックも!

7月5日(土)にJR木次駅で記念切符の無料配布、丸山達也島根県知事による記念切符の改札、ロゴのお披露目などのキックオフイベントも開催され、島根県がプッシュする観光PRであることを告知しています。

木次線は、宍道駅(島根県松江市)〜備後落合駅(広島県庄原市)を結ぶ81.9kmの鉄路。
木次駅と宍道駅を結んだ簸上鉄道(ひかみてつどう)によって大正5年10月11日に開業、昭和9年に国有化され、鉄道省が南の備後落合駅に伸ばして、芸備線と接続し、昭和12年に全線開業しています。
芸備線、木次線で陰陽連絡路線として機能し、かつては蒸気機関車が牽引する快速「ちどり」、「夜行ちどり」も運転されましたが(後に、キハ55系気動車が投入されて準急、急行に昇格)、松江と広島を結ぶ貴重なルートとして重宝されたのです。

出雲坂根駅(いずもさかねえき/島根県仁多郡奥出雲町)には、JR西日本では唯一の3段スイッチバックが現役で使われています。

その木次線、JR西日本山陰支社によれば、曜日や区間によって異なるものの、8割程度が一両編成での運転とのこと。
都市生活者にとって、この一両編成の列車は、すごく新鮮で「かわいらしい」という人も多く、これがコンセンプトのヒントになり、『一両列車の聖地 木次線 ~たった一両。だから、特別。~』プロジェクトがスタートしたのです。

かつて木次線を走った観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」も車両の老朽化に伴い、2023年11月23日をもって運行終了。
新しい「売り」を模索する中で、現状を逆手に取ったPR手段に出たというのが真相です。

木次線は中国山地を山越えするので、三井野原駅は標高727mと、JR西日本では最高所の駅。
木次線で最低標高の宍道駅との標高差は、なんと722m。
最大30‰(パーミル)の急登で走るのが一両編成のディーゼルカー(キハ120形気動車)で、ツウはそのエンジン音がたまらないといいます。

「1両編成が満員になり、2両にするか悩まないといけない状況に持っていきたい」(丸山達也島根県知事)と、夢は大きく膨らみます。

『一両列車の聖地 木次線』プロジェクトが始まる!
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