日本第2の高峰、南アルプス・北岳(3192m)にだけ咲く、キタダケソウ。北岳の固有種ですが、山頂近くにしか咲かず、花の数も少ないため、高山植物好きな人でもこれを見たことがある人は数少ないはず。しかも夏山登山で北岳を目指し、キタダケソウを探しても、まさに「来ただけ」に。
北岳だけに咲くキンポウゲ科の花は氷河期の生き残り
「夏休みになってから、キタダケソウはどこにありますか?と聞いてくる人もいるのですが、夏休みにキタダケソウを探すのは、まず無理」と、北岳の山小屋関係者は口を揃えます。
開花期は、6月下旬〜7月上旬にかけてで、7月中旬になると、咲いている株を探すのも難しくなり、7月下旬に咲くのを見かけることはまずないのだとか。
そもそも北岳山頂部南東斜面、八本歯コルから北岳山荘への巻道途中に600株ほどがあるだけという希少種。
礫まじりの草地に生える多年草で、高さ10cm内外と見つけるのも難しいもの。
北岳山頂部南東斜面の生育地38.5haを「北岳キタダケソウ生育地保護区」としてしていますが、38.5haに600株ということからも探すのが難しいことがよくわかります(登山道から外れるのは厳禁です)。
遅くまで雪渓が残る部分は開花も遅れる傾向がありますが、近年はカメラを片手にした踏み込みやストックによる生育地の攪乱が多く、絶滅の危険にさらされています(環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定)。
北岳バットレスの自生地も盗掘で、ほぼ絶滅。
真夏の目撃例は、まずハクサンイチゲの見間違えです(ハクサンイチゲの花びらの先端は尖っていて、葉には毛が生育)。
日本第2の高峰・北岳で、キタダケソウ見頃に | |
所在地 | 山梨県南アルプス市芦安芦倉 |
場所 | 北岳 |
関連HP | 南アルプス芦安山岳館公式ホームページ |
電車・バスで | JR甲府駅から広河原行きバスで1時間20分、広河原下車 |
ドライブで | 中部横断自動車道白根ICから約12kmで南アルプス市芦安駐車場、駐車場から広河原行きバスで広河原下車 |
駐車場 | アルプス市芦安駐車場(600台/無料) |
問い合わせ | 南アルプス市観光協会 TEL:055-284-4204 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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