高さ70mの「巨大要塞」で、上信越自動車道の岩塊撤去工事が進展中!

上信越自動車道・松井田妙義ICと碓氷軽井沢ICの間にある北野牧トンネル上部(群馬県安中市)で、現世界初となる災害に備える予防保全工事が進展中です。トンネル直上70mの崖で岩塊掘削に挑むのは大林組で、道路上に石ころひとつ落とさないという安全対策のため、「巨大要塞」が構築されています。

すべての工事が完了するのは2029年を予定

【大林組公式チャンネル】山頂で進む掘削工事

大林組は、施工計画の検討に2年を要していますが、なんと「岩盤を除去する」という目的のため、85パターンの掘削法を検討したのだとか。
85パターンのリスク評価や工期、工費の算定を行なった結果、崖面にロックボルト(鉄筋)を直接打ち込み、高強度金網で固定し、崖面全面を補強、さらに高速道路のトンネル坑口上部に屋根を架ける「ロックシェッド」を設置、最後に70mある崖面を防護柵で覆うというまさに「巨大要塞」を構築、ようやく掘削が開始されたのです。

群馬県と長野県の県境に位置し、あまり知られていませんが、長野側では資材や人員運搬に利用する大型モノレールを沢沿いに築いています。
群馬県側には、急斜面を動く巨大斜行エレベーターとしてインクライン(斜度25度、全長152m)が採用され、80tまでの重量物を運ぶことができます。
つまりは掘削した石や土を積んだ大型ダンプトラック2台(40t)を一気に運ぶことができるというわけです。

本格的に掘削を開始されたのは、2023年5月。
すべての工事が完了するのは2029年を予定しているので、それまでは上信越自動車道を走行時には、「巨大要塞」を目にすることができます。

【大林組公式チャンネル】インクラインで掘削した残土を積むために斜面を上がるダンプトラック
高さ70mの「巨大要塞」で、上信越自動車道の岩塊撤去工事が進展中!
所在地群馬県安中市松井田町北野牧
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