神奈川県立大船フラワーセンター

神奈川県立大船フラワーセンター

神奈川県鎌倉市のJR大船駅近く、昭和34年まで神奈川県の農業試験場(平塚市に移転)があった地に、そこで育成された花(「大船系」)を活かして昭和37年に開園した敷地面積6万4000平方メートルと、県下最大規模の植物園が神奈川県立フラワーセンター。園内には観賞用植物を中心に約5700種もの植物が栽培されています。

大正11年開設の農事試験場が前身

大正11年に鎌倉郡大船町岡本(現・鎌倉市岡本)に移転した農事試験場(昭和28年に農業試験場と改称)が前身(明治29年、横浜市岡野に開設、明治41年橘樹郡保土ヶ谷町へ移転、大正11年に大船に、昭和34年平塚市に移転)。

明治時代から昭和の初めにかけて輸出を目的として品種改良された大船系を中心に210品種2000株を誇るシャクヤク園は、5月上旬~5月中旬が見頃。

原種、オールドローズ、四季咲きのモダンローズなど370品種1200株のばら園は、5月中旬~7月上旬、10月中旬~11月中旬が見頃。
「大船系」など120品種、1300株が咲くはハナショウブは6月が見頃。

全国でも有数の規模で、品種の改良は世界的にも有名。
また観賞温室では、ハイビスカスやラン類など、年間通じて熱帯、亜熱帯の植物を見学できます。
園内には、花壇を結ぶ遊歩道や森の小径も整備され、つつじ・しゃくなげ園(見頃は3月中旬~4月下旬)、ぼたん園(見頃は4月上旬~4月中旬)、さるすべり園、すいれん池(7月中旬にはハスの花の観賞のための早朝開園も実施)など、四季折々の花を愛でることができます。
レストハウスにはカフェも営業しますが、飲食物(アルコール類を除く)の持込みは自由。
ペット連れの入園は不可。

宮澤文吾が生み出した「大船系」

明治時代後期、欧米ではシャクヤク(芍薬)など日本の草花が一大ブームとなり、明治政府は日本固有のシャクヤク、ハナショウブなどの輸出を計画します。
そこで、橘樹郡保土ヶ谷町(現・横浜市保土ヶ谷区)に移転していた神奈川県農事試験場に補助金を交付し、優良品種育成を目指します。
大正元年、主任技師となったのは大学卒業2年目という宮澤文吾(宮沢文吾/現・長野県下伊那郡松川町出身)。
宮澤文吾は、シャクヤク・ハナショウブの品種を集め、ヨーロッパ産の「洋シャク」と中国・日本産の品種群「和シャク」の人工交配に着手し、江戸時代から「江戸系」をベースに新種の育成に励みました。
大正13年、ヨーロッパ留学のため退職するまでに生み出したのは、シャクヤクは700品種、ハナショウブ300品種。
すべてをまとめて「大船系」と総称しているので、大船フラワーセンターに入園したら、「大船系」のチェックを(玉川大学などの協力で、「大船系」が保存されています)。

名称 神奈川県立大船フラワーセンター/かながわけんりつおおふなふらわーせんたー
所在地 神奈川県鎌倉市岡本1018
関連HP 神奈川県立大船フラワーセンター公式ホームページ
電車・バスで JR大船駅から徒歩16分
ドライブで 横浜新道終点から約10km
駐車場 109台/有料
問い合わせ 日比谷花壇大船フラワーセンター TEL:0467-46-2188/FAX:0467-46-2486
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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