神奈川県横須賀市田浦町、JR横須賀線田浦駅から南へ伸びる道の途中にある、文字通り「の」の字を描いてループする坂道がのの字坂。ループの真ん中は田浦1丁目公園で、ブランコ、すべり台が整備される児童公園になっています。もともとは、城の台砲台の物資運搬用の軍用道路として築かれた道です。
砲台建設、物資輸送のために築かれたループ橋
城の台砲台は、戦前の横須賀軍港を守備するために設置された海軍防空砲台のひとつ。
高角砲2基、レーダー1基、洞窟式の 弾薬庫、兵員室、指揮所などが築かれていましたが、今では廃墟となって近づくことすら困難になっています。
のの字坂と呼ばれるループ橋も、もともとは木製だったとのこと。
城の台という名は、秋田城介(あきたじょうのすけ=出羽国の秋田城を専管した国司)に任じられた鎌倉幕府の御家人・安達景盛、安達義景(あだちよしかげ)親子の下屋敷があったことが名の由来とされ、地元では「しろんだ」と呼ばれています。
直径40mのループを回った先が旧浦賀道・十三峠。
享保5年(1720年)、江戸に出入りする船改めや江戸湾防備のため浦賀奉行所が設置後、江戸と浦和の往来が増えたために使われるようになった「東の浦賀みち」と呼ばれた保土ヶ谷・戸塚から浦賀に至る古道の難所で、名の由来は保土ヶ谷から13番目の峠という説と、十三仏が置かれていたという説があります。
なお、のの字坂の基部から東に向かって「ながかまトンネル」が伸びていますが、軍用のトンネルではなく、横須賀市内に5ヶ所(汐入1号トンネル、汐入2号トンネル、船越防災トンネル、西逸見吉倉トンネル、ながかまトンネル)築かれた防災道路(防災トンネル)のひとつ、横浜市道長浦田浦線で、平成9年の完成です。
のの字坂 | |
名称 | のの字坂/ののじざか |
所在地 | 神奈川県横須賀市田浦町1丁目 |
関連HP | 横須賀市公式ホームページ |
電車・バスで | JR田浦駅から徒歩10分 |
ドライブで | 横浜横須賀道路逗子ICから約4km |
駐車場 | なし |
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