鹿児島県熊毛郡屋久島町、屋久島の西12kmほどに位置する孤島、口永良部島(くちのえらぶじま)。2015年5月29日、新岳の爆発的噴火で火砕流が海岸まで到達、全島避難を余儀なくされました。その後、平静が回復していましたが、再び、火山活動が活発化し、2025年6月11日(水)夜、噴火警戒レベルが引き上げられました。
火山性地震の多い状態が継続、「今日も元気じゃのう」な状態!

口永良部島では2020年8月29日の噴火以降、噴火の発生はありませんが、古岳付近では2023年6月以降、山体が膨張した状態が継続。
さらに2025年4月上旬から山体の浅いところで地震活動が活発化し、火山性地震の多い状態が継続していました。
古岳付近では、火山性地震がこの10日間に135回以上発生し、噴火警戒レベル2の「火口周辺規制」からレベル3の「入山規制」に引き上げられました。
新岳火口及び古岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要、向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒と呼びかけています。
さらに火山活動が活発化すると、レベル4(高齢者等避難)、レベル5(避難)となり、2015年5月29日のマグマ水蒸気噴火(気象庁は「平成27年口永良部島噴火」と命名)は、レベル5(避難)となり、屋久島町営フェリー「太陽」で全島民避難が行なわれました。
2016年6月25日に全島避難は解除されましたが、口永良部島に戻らない島民もいて、過疎化が進んでいます(人口も1993年の173名から2023年103名に減少、2025年4月時点では86人と半減)。
口永良部島は、島全域が屋久島国立公園、そして生物圏保存地域(通称:ユネスコエコパーク)に指定されるダイナミックな火山島で、豊かな自然が残ることから「緑の火山島」とも称されています。
良質な温泉が湧き、いずれも源泉掛け流しで湯量も豊富なことから、温泉ファンにも人気の島で、観光的な陰りも危惧されるところ。
活火山と共生する島民は、山が噴いても「今日も元気じゃのう」といった感じで、日常的な風景とのこと。
鹿児島県では桜島も活発な火山活動を継続、鹿児島県十島村(トカラ列島)の諏訪之瀬島(レベル2の「火口周辺規制」が継続中)も6月7日(土)に噴火と、なにやら火山活動が活発化している感じです。
口永良部島を訪ねる際には、噴火警戒レベルに注意を。
画像協力/海上保安庁

2015年に「全島避難」の口永良部島が、再び火山活動活発化! | |
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