第三の黒船!?  リゾート21「黒船電車」運転中

黒船電車

黒船電車は平成16年、下田開港150周年を記念して運転が始まったリゾートトレイン。下田に来航した黒船に見立てて黒いろに塗装した全国でも珍しい車両です。ベースとなっているのは、「リゾート21」の愛称で知られる伊豆急行2100系電車。熱海駅〜伊豆急下田駅の普通列車に使用され、乗車券だけで利用できます。

「第三の黒船」の意味は!?

黒船電車

嘉永7年3月3日(1854年3月31日)に締結された日米和親条約。
第2条で、下田は即時開港、箱館(現・函館)は翌年3月開港とされ、下田港(江戸時代には下田湊)は、「日本で最初の国際貿易港」となりました。

幕府が下田を開港場に選んだ理由は、「江戸から近くもなく、それでいて遠くもない所だったから」(下田観光協会の話)なんだとか。
その下田と熱海を結ぶJR伊東線・伊豆急行線に、伊豆急行が走らせているのが、ペリー艦隊の「黒船」をイメージした「黒船電車」というわけです。

伊豆急行線は昭和36年12月10日に伊豆急下田まで全線開通。
伊豆急行によればこれが、「第二の黒船襲来」、そしてリゾート21を黒船仕様にした「黒船電車」が「第三の黒船」ということに。

黒船電車

先頭と最後尾には展望席も! こちらも無料

黒船電車
先頭車両の展望席は運転席のすぐ後ろに

とはいえ車両自体は、昭和60年に登場で、先頭車に展望席を配置したリゾート21です。
つまりはかなり年季の入った車両ですが、車内には、黒船の来航など外国船が江戸湾や伊豆周辺に出没した幕末の歴史と下田の状況を紹介する史料なども展示され、「走るミュージアム」にもなっているのです。

しかも通常は普通列車として熱海~伊豆急下田間を運転しているので、乗車券だけで乗車が可能。
各車の座席(海側ボックス席の窓下)に電源コンセントを設置しています。

伊豆急行ではリゾート21の運用をホームページで発表しているので(翌々月の時刻表は毎月末に発表)、熱海駅〜伊豆急下田駅の旅は、「黒船電車」というのもおすすめです。
所要は1時間30分、しかも近年の観光列車、リゾートトレインは少し料金的に高い設定が多いのですが、乗車券だけでOKという太っ腹です。

ホームページでは、7両編成での運転時の座席配置も紹介しているので、海側に向いたグループ席など、希望の席の号車に並ぶという手もあります。
先頭車両と、最後尾は展望車両で、一番人気ですので、熱海駅では早めに並ぶ必要があります。

リゾート21の特徴

「21世紀へ進む鉄道車両へのひとつの提案」として昭和60年にデビュー。

  1. 運転士が独占している先頭展望を生かす(展望席の設置)
  2. 海と山があるのだから左右は非対称で
  3. 座席配置を海側に向ける(座席は固定席です)
  4. 普通電車で運用する(後に一部特急で運用)
黒船電車
黒船電車の座席配置(1号車〜3号車)
第三の黒船!?  リゾート21「黒船電車」運転中
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伊豆急行「リゾート21」

展望席で旅しよう(2)伊豆急行「リゾート21」

電車の運転席を2階に配置、あるいは運転席背後の少し高い場所に設置したのが展望席。展望席を有しながら、普通乗車券のみで利用でき、しかも全席自由席というのが伊豆急行の「リゾート21」。赤色の「キンメ電車」、黒の「黒船電車」の2タイプが走り、先頭

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