京都府京都市東山区、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産・清水寺で、正門となる仁王門の横、三重塔の前に建つのが、西門(さいもん)。現存する建物は、火災で焼失後の寛永10年(1633年)に徳川家光が再建。西方浄土(さいほうじょうど=極楽浄土)に往生する入口の門という意味合いがあります。
西山に落ちる夕日に西方浄土を体感する日想観の聖地
西方はるかかなたにあるといわれる苦しみや悩みのない世界が、西方浄土(極楽浄土=西方浄土の教主は阿弥陀如来)で、西の空に沈む夕暮れの太陽を見つめ、朱く染まった空に極楽浄土を想うだけで、お釈迦さまの教えを体感することができるというシンプルな修行法「日想観」(にっそうかん)の聖地となっています。
『観無量寿経』に説かれている十六観法(日想観・水想観・地想観・宝樹観・宝池観・宝楼観・華座観・像観・真身観・観音観・勢至観・普観・雑観・上輩観・中輩観・下輩観)のひとつで、西の空に沈む太陽を見て極楽浄土を観想する修行です。
つまり、東山の一等地で、西山に落ちる日没を眺めることは、自身の内面と向き合う方法のひとつというわけなのです。
中世、浄土教の興隆とともに、西の空に沈む夕日を眺める日想観は、庶民にも広がっていきました(四天王寺・西門の日想観は有名です)。
門としての機能はなく、通り抜けはできませんが(天皇の勅使だけが通ることができたので勅使門とも称されてきました)、京都盆地を隔てて、西山を眺望。
鎌倉時代作の持国天立像(像高220.0cm)と増長天立像(像高215.0cm)が安置されています。
平成30年に修理され、往時の色が蘇り、春には西門の極彩色の文様と桜のコラボを愛でることができます。
清水寺・西門 | |
名称 | 清水寺・西門/きよみずでら・さいもん |
所在地 | 京都府京都市東山区清水1-294 |
関連HP | 清水寺公式ホームページ |
電車・バスで | 京阪電鉄清水五条駅から徒歩25分 |
ドライブで | 名神高速道路京都東ICから約7km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 清水寺 TEL:075-551-1234/FAX:075-551-1287 |
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