清水寺・千体石仏群

清水寺・千体石仏群

京都府京都市東山区、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産・清水寺で、清水寺本坊・成就院の参道にあるのが、千体石仏群(せんたいせきぶつぐん)。明治維新後の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の嵐は、京にも吹き荒れ、市中にあった石仏を廃棄する際に、庶民が清水寺に運び込んだものを1ヶ所に集めたものです。

地蔵尊が多いのは、京都に隆盛した地蔵信仰の証

清水寺・千体石仏群

廃仏毀釈まで、京都市中の寺社は、神仏習合で八坂神社も祇園精舎の守護神・牛頭天王を祀る祇園社・祇園感神院(ぎおんかんしんいん=祇園社の別当)で、火防(ひぶせ)で有名な愛宕神社も、愛宕大権現でした。
神仏分離(神仏判然令)、廃仏毀釈の徹底で、神仏習合の祇園社などの場合は僧侶が還俗(げんぞく)し、神官に転じています。

当時は、「五山の送り火」、地蔵盆、盆踊りなども仏教的ということで禁じられたほどで、仏像や仏具を溶かした鉄筋を使って四条大橋を架橋したりしたのです。

明治4年10月に京都府は、市中の路傍における地蔵や大日如来像は無益であるだけでなく、人を惑わすものなので、撤去せよと命じています。
神社を国家統制して(明治4年、明治政府は神社を「国家の宗祀」と宣言)、政府主導の神道国民教化策を進める一貫で、京都でも仏教受難の歴史が続きました。

市中で廃仏となった石仏の一部は、清水寺に運び込まれましたが、それが、現在の千体石仏群というわけです。
地蔵菩薩、観音菩薩、阿弥陀如来、大日如来、釈迦如来など多種多様な石仏があるのもそのためです。

地蔵菩薩が多いのは、江戸時代、京都に根付いた地蔵信仰を物語っています。
京都では、かつて旧暦8月22日・23日に、旧街道口に安置された6体の地蔵菩薩(後白河天皇の勅命で平清盛が疫病退散のため6ヶ所の街道口に地蔵堂を設置、伏見・大善寺が「六地蔵巡り」の根本道場)を巡拝する「六地蔵巡り」の風習があり、「五山の送り火」を終えた後、お盆の締めくくりとして「六地蔵巡り」と「地蔵盆」が行なわれました。
六地蔵信仰の広がりとともに、市中にも地蔵尊が建立され(悪疫が町内に入り込まないように地蔵菩薩を建立)、各町で『地蔵祭』が行なわれたのです。

清水寺・千体石仏群
名称 清水寺・千体石仏群/きよみずでら・せんたいせきぶつぐん
所在地 京都府京都市東山区清水1-294
関連HP 清水寺公式ホームページ
電車・バスで 京阪電鉄清水五条駅から徒歩25分
ドライブで 名神高速道路京都東ICから約7km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 清水寺 TEL:075-551-1234/FAX:075-551-1287
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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